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米9月コアPCE価格指数+3.7%、約2年ぶりの低い伸び

ロイター / 2023年10月28日 2時12分

9月の米個人消費支出価格指数は、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びが前年同月比3.7%で、8月の3.8%から低下し2年余りぶりの低水準となった。昨年6月、ニューヨークで撮影(2023年 ロイター/Andrew Kelly)

[ワシントン 27日 ロイター] - 米商務省が27日発表した9月の個人消費支出(PCE)価格指数は、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びが前年同月比3.7%で、8月の3.8%から低下し2年余りぶりの低水準となった。

一方、個人消費支出(PCE)は前月比0.7%増で、8月(0.4%増)から予想以上に伸びが加速し、市場予想の0.5%増を上回った。しかし、コロナ禍中に積み上がった過剰貯蓄は解消されつつあり、支出は2024年初めには停滞する見通しで、エコノミストの間では米連邦準備理事会(FRB)が利上げサイクルを終了したという見方が優勢。

BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サール・グアティエリ氏は「米消費者は先月も勢いを保っており、その流れが今四半期も続くリスクがある」と指摘。「支出と経済が第4・四半期に急激にシフトダウンすると見込んでいるが、FRBが根強いサービスインフレ抑制に向け必要とされる以上に、これら両方が過熱することがリスクだ」と述べた。

9月の個人消費支出はモノが0.7%増で、処方薬やライトトラック、食品および飲料などの伸びが主導した。サービスも、旅行や住宅、公益料金、ヘルスケアなどが堅調で、0.8%増加した。

インフレ調整後の個人消費支出は0.4%増と、8月の0.1%増から伸びが加速した。第2・四半期の低迷から回復しており、第4・四半期の支出が拡大する可能性がある。

ただ、9月の支出は貯蓄切り崩しによるものとみられ、今後支出が失速する可能性がある。

所得は0.3%増と、前月の0.4%増から鈍化。賃金の伸びも先月の0.5%から0.4%に減速した。

貯蓄率は3.4%。8月は4.0%だった。

INGの首席国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトレー氏は「貯蓄は急速に枯渇しつつあり、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)中に積み上がった超過貯蓄が来年前半には枯渇する可能性があるとさまざまな推計が示している」と述べた。

また、FHNフィナンシャルのチーフエコノミスト、クリス・ロー氏は「過去のサイクルと比べ、米家計は健全」と指摘。「債務水準は低く、貯蓄は依然かなり高い。所得も堅調」とし、支出の減速が不可避である可能性を示唆する明確な内容はPCEデータには見当たらないという見方を示した。

コアPCE価格指数の前月比は0.3%上昇。8月は0.1%上昇だった。

PCE価格指数は前年比3.4%上昇、前月比0.4%上昇でいずれも8月と同じだった。

食品は0.3%、エネルギーは1.7%それぞれ上昇した。

住宅関連を除くコアPCE価格指数は0.2%上昇と、小幅な伸びにとどまった。エネルギー・住宅を除くPCEサービス価格指数「スーパーコア」は0.4%上昇と、8月の0.1%から伸びが加速した。

スーパーコアは前年同月比4.3%上昇した。

金融市場では、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げは見込まれておらず、12月会合までの利上げ確率は20%弱にとどまっている。また、来年6月に初回の利下げが実施されるという見方も引き続き織り込んでいる。

しかし、バークレイズのエコノミスト、プージャ・スリラム氏は「2%の目標に向けてインフレを持続的に低下させるためには、さらなる努力が必要だ」と述べた。

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