米10月新築住宅販売5.6%減の67.9万戸 市場予想下回る
ロイター / 2023年11月28日 4時8分
[ワシントン 27日 ロイター] - 米商務省が27日発表した10月の新築一戸建て住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比5.6%減の67万9000戸だった。ロイターがまとめた市場予想の72万3000戸を下回った。住宅ローン金利が高水準にあり、割高感が強まったことが背景にあるとみられる。
9月の販売戸数は71万9000戸と、前回発表の75万9000戸から下方改定された。
10月の前年同月比は17.7%増。
ネーションワイド(オハイオ州)のエコノミスト、ダニエル・ビルハーバー氏は「新築住宅市場は歴史的な基準から見ても非常に堅調であり、極めて低水準の中古住宅在庫によって引き続き押し上げられている」と述べた。
前月比の地域別では北東部と人口が密集する南部で増加。ただ、最も住宅価格が低い中西部や住宅価格が高価な西部では減少した。
米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)のデータによると、需要が多い30年固定住宅ローンの平均金利は10月下旬に7.79%と2000年11月以来、約23年ぶりの高水準を付けた。その後下がったものの、先週時点で7.29%と高止まりしている。
全米リアルター協会(NAR)が先週発表した10月の米中古住宅販売戸数は13年超ぶりの低水準に落ち込んだ。市場に出回っている中古住宅の在庫は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準を50%近く下回っている。
一方、既に住宅を所有している人の多くは3%を下回る住宅ローン金利で購入していた。このため住宅を手放すことを控えており、新築住宅建設の需要を押し上げる要因となっている。
アポロ・グローバル・マネジメントのチーフエコノミスト、トーステン・スロック氏は「(住宅を持っている)世帯はパンデミック中に低水準の住宅ローン金利を適用したため、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが望ましい効果を示していない」との見方を示した。
10月の新築住宅価格の中央値は40万9300ドルで、前年同月比17.6%下落。1964年の統計開始以来最大の下落率となった。建築業者による値下げなどが一因とみられる。
10月は15万─49万9999ドルの価格帯の物件が成約戸数の大部分を占めた。10月末時点の新築住宅の在庫は43万9000戸で、9月の43万3000戸からわずかに増加した。
10月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は7.8カ月。前月は7.2カ月だった。
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