NY市場サマリー(27日)ドル下落、利回り低下 株小幅安
ロイター / 2023年11月28日 7時33分
<為替> ドルが下落した。米連邦準備理事会(FRB)が利上げを終了し、来年前半までに利下げを開始する可能性があるとの見方が重しとなった。
ドル指数は0.2%安の103.20。月間では3%以上の下げとなり、2022年11月以降で最大の下落となる見込み。
FXコンサルティング会社クラリティーFX(サンフランシスコ) のディレクター、アモ・サホタ氏は「ドル指数はここ2週間で崩落を示唆するのに十分なダメージを受けた。ドルの全盛期は終わり、ドルは軟化する見通し」と指摘。「ただ、主に米利下げが予想されるという理由でドル軟化の見通しにあまりにも積極的になりすぎると、FRB当局者から何かしらの発言が出るだろう。注意する必要がある」とした。
CMEのフェドウオッチによると、米金利先物市場では、FRBが早ければ3月にも利下げを開始する確率を約23%としている。5月では約50%となっている。
ユーロ/ドルは0.2%高の1.0953ドル。月間では約3.6%高、1年ぶりの大幅上昇ペースになっている。
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は27日、ユーロ圏のインフレ圧力は予想通り緩和しているが、物価上昇との戦いはまだ終わっていないと述べた。ユーロの反応は限定的だった。
ドル/円は0.6%安の148.59円。月間では約2%下落し2月以来の月間最大下落幅を記録する見込み。
ポンド/ドルは1.2644ドルと2カ月超ぶりの高値を付けた。終盤は0.2%高の1.2628ドルとなった。
豪ドル/米ドルは0.6614米ドルと3カ月超ぶりの高値。ニュージーランドドル/米ドルも0.3%高の0.61米ドルとなった。
オンショア人民元は1ドル=7.1528元。オフショア人民元は0.1%安の1ドル=7.160元だった。
暗号資産(仮想通貨)ではビットコインが1.6%安の3万6881ドルだった。
<債券> 国債利回りが低下した。10月の新築一戸建て住宅販売戸数が低調だったことで、特に10年債利回りが大きく低下した。
商務省発表の10月の新築一戸建て住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比5.6%減の67万9000戸と、市場予想の72万3000戸を下回った。
10年債利回りは9ベーシスポイント(bp)低下の4.392%。
米経済指標がこのところ軟調となっていることで、FRBは当面は政策金利を現行水準に維持するとの見方が強まっている。CMEフェドウオッチによると、FRBが来年5月に少なくとも0.25%ポイントの利下げを実施する確率は50%強。
今週は個人消費支出(PCE)物価指数のほか、パウエルFRB議長が12月1日に予定する発言などが注目されている。
30年債利回りは8bp低下の4.535%。
2年債利回りは6bp低下の4.897%。10年債と2年債の利回り格差はマイナス50.07bpと、前週24日から1.95bp縮小した。
財務省がこの日に実施した国債入札の応札倍率は、2年債入札(540億ドル)が2.54倍、5年債入札(550億ドル)が2.46倍だった。
<株式> 主要3指数が小幅下落して取引を終えた。年末商戦が本格化する中、一服商状となった。
USバンク・ウェルス・マネジメントの投資ストラテジスト、トム・ハインリン氏は「市場は11月の上昇分を消化するため一息ついている。株価はしばらく続いてきた取引レンジの上限にある」と指摘した。
デジタルデータ追跡のアドビ・デジタル・インサイツによると、サイバーマンデーのオンライン売上高は前年比5.4%増の124億ドルに達し、過去最高となる見通し。
AXSインベストメンツのグレッグ・バスク最高経営責任者(CEO)は「今週はインフレ指標が焦点になる。メインストリートがウォールストリートに後れを取っていないかどうかを判断するため消費者信頼感や消費支出にも注目が集まるだろう」と語った。
今週はFRBの制約的な政策がどの程度続くかを探るため当局者の発言も注目される。ハインリン氏は「FRBは利上げが終了したと結論づけることには引き続き慎重になると予想する」と述べた。
S&P総合500種の主要11セクターではヘルスケアと工業の下げが目立った一方、不動産と一般消費財が上げを主導した。
サイバーマンデーの熱狂の中、後払い決済サービス(BNPL)大手のアファーム・ホールディングスは12%急伸。 BNPLの利用がサイバーマンデーの売上高を押し上げる見通しが好感された。
オンラインショッピングサイトのエッツィとショッピファイもそれぞれ3.0%、4.9%値上がりした。
アマゾン・ドット・コムとウォルマートも買われた。
電波塔運営会社のクラウン・キャッスル・インターナショナルは3.4%高。アクティビスト(物言う株主)として知られるエリオット・インベストメント・マネジメントが同社の幹部や取締役会の変更を求めた。
<金先物> 対ユーロでのドル安を背景に続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前週末比9.40ドル(0.47%)高の1オンス=2012.40ドル。中心限月の清算値ベースで5月中旬以来約6カ月半ぶりの高値を付けた。
市場関係者の間では、金相場が節目となる2000ドル台まで戻したことでテクニ カルな買いが入ったとの声も聞かれた。
<米原油先物> 石油輸出国機構(OPEC)関連会合への警戒感がくすぶり、4営業日続落した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物の清算値(終値に相当)は、前週末比0.6 8ドル(0.90%)安の1バレル=74.86ドル。2月物は0.68ドル安の75.09ドルだった。
来年にかけ、世界のエネルギー需要の伸びが大きく鈍化するとの観測が拡大する中、市場はOPEC加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」が30日に開く閣僚級会合の行方を注視している。
ドル/円 NY終値 148.67/148.70
始値 149.01
高値 149.09
安値 148.55
ユーロ/ドル NY終値 1.0953/1.0955
始値 1.0952
高値 1.0957
安値 1.0926
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 103*13.00 4.5408%
前営業日終値 102*04.50 4.6170%
10年債(指標銘柄) 17時04分 100*28.00 4.3904%
前営業日終値 100*04.00 4.4840%
5年債(指標銘柄) 17時01分 102*00.75 4.4125%
前営業日終値 101*20.00 4.5030%
2年債(指標銘柄) 17時03分 100*06.25 4.8902%
前営業日終値 100*02.25 4.9590%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 35333.47 -56.68 -0.16
前営業日終値 35390.15
ナスダック総合 14241.02 -9.83 -0.07
前営業日終値 14250.86
S&P総合500種 4550.43 -8.91 -0.20
前営業日終値 4559.34
COMEX金 12月限 2012.4 +9.4
前営業日終値 2003.0
COMEX銀 12月限 2468.1 +34.0
前営業日終値 2434.1
北海ブレント 1月限 79.98 ‐0.60
前営業日終値 80.58
米WTI先物 1月限 74.86 ‐0.68
前営業日終値 75.54
CRB商品指数 270.4805 ‐1.5196
前営業日終値 272.0001
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