国連総長、太平洋の海面上昇に「ＳＯＳ」訴え 諸島フォーラム

　８月２７日、国連のグテレス事務総長（写真）は、太平洋諸島の海水温が世界平均の３倍の速さで上昇しており、住民は海面上昇の影響に「特にさらされている」と述べた。写真は７月、フランスのパリでの代表撮影（２０２４　ロイター）

[２７日 ロイター] - 国連のグテレス事務総長は２７日、太平洋諸島の海水温が世界平均の３倍の速さで上昇しており、住民は海面上昇の影響に「特にさらされている」と述べた。

年次の太平洋諸島フォーラム（ＰＩＦ）出席のために訪れたトンガで記者団に、南西太平洋が海面上昇の影響を最も受けており、場所によっては過去３０年間に世界平均の２倍以上上昇が見られるとする調査結果を示し、「海面上昇に関する世界的なＳＯＳ（Save Our Seas：海を守ろう）を発するためトンガに来ている」と述べた。

また「海面上昇により、高潮や沿岸部の洪水頻度と深刻さが増している。洪水は、沿岸コミュニティーの浸水、漁業の破壊、農作物被害、淡水汚染をもたらし、太平洋諸島諸国を重大な危険にさらしている」と訴えた。

気候変動と安全保障は１週間にわたる年次会合の主要議題。会合には開催国トンガなどの環礁国のほか、世界最大の石炭輸出国の一つであるオーストラリアなど１８カ国が参加する。