韓国の来年度予算案、歳出3.2％増 財政規律堅持

[ソウル ２７日 ロイター] - 韓国政府は２７日、２０２５年度予算案について、歳出規模を前年度比３．２％増の６７７兆４０００億ウォン（５１０５億ドル）とする計画を明らかにした。財政規律を堅持する。

従来予測の４．２％増から下方修正した。２４年度の歳出は財政統計が改定された０５年以降で最小の２．８％増だった。

企画財政省は「将来世代の負担を軽減し、高齢化と景気減速で見込まれる中・長期の歳出に備えるため、財政の持続可能性を高める取り組みを継続する」と表明。

保守系の尹錫悦政権は２２年５月の発足以降、財政健全化を重視する一方、景気減速で税収が低迷する中で一連の減税を提案している。

２５年度の税収予測は４．１％増。企業業績の改善が寄与する見通し。２４年度は６．７％増だった。２３年度は過去最大となる１３．１％の落ち込みを記録していた。

２５年度の財政赤字は国内総生産（ＧＤＰ）比２．９％と、２４年度の３．６％から縮小する見通し。債務残高はＧＤＰ比４７．４％から４８．３％に増加する。

社会福祉支出は４．８％増の２４９兆ウォン、国防支出は３．６％増の６１兆６０００億ウォン、研究支出は１１．８％増の２９兆７０００億ウォン。

主要事業では、公営住宅を過去最大となる２５万２０００戸増やすほか、半導体産業の企業投資に４兆３０００億ウォンの低利融資を提供する。出産支援も拡大する。

２５年度の国債発行額は２０１兆３０００億ウォンで、２４年度の１５８兆４０００億ウォンから増額する。国債の純発行額は８３兆７０００億ウォン。財政赤字は８６兆７０００億ウォンとなる見通し。

予算案は野党が多数派を占める国会に提出される。