イスラエル格付けに重大な影響、ヒズボラなどと全面衝突なら=ムーディーズ
ロイター / 2024年8月28日 3時50分
米格付け会社ムーディーズは27日、イスラエルがイラン、またはイランの支援を受けるイスラム教シーア派組織ヒズボラと全面的な紛争状態に入れば、イスラエルの格付けに重大な影響が出るとの見方を示した。2021年11月撮影(2024年 ロイター/Andrew Kelly)
Marc Jones Steven Scheer
[ロンドン/エルサレム 27日 ロイター] - 米格付け会社ムーディーズは27日、イスラエルがイラン、またはイランの支援を受けるイスラム教シーア派組織ヒズボラと全面的な紛争状態に入れば、イスラエルの格付けに重大な影響が出るとの見方を示した。
ムーディーズは、現在みられている緊張が全面的な軍事衝突にエスカレートしたり、イランを巻き込む事態に拡大したりすることはないとの見方を変えていないとし、この地域の信用への影響は当面は限定されると見なしていると表明。ただ、ヒズボラやイランとの全面的な軍事衝突が起これば、イスラエル債券発行体の信用に重大な影響が出る恐れがあるとした。
レバノンに拠点を置くヒズボラは今月25日、イスラエルによる幹部殺害の報復として、イスラエルに対し数百発のロケット弾と無人機(ドローン)を発射。イスラエル軍はヒズボラが大規模攻撃を準備していることを事前に察知し、約100機の戦闘機でレバノンの標的を攻撃した。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスはこれについて、イスラエル、ヒズボラ、イランが紛争拡大の意向を持っている可能性は低いと指摘。「イスラエル側の死傷者数が極めて少ないこと、イスラエル国内で重大な物的被害が出ていないことなどを踏まえると、一段の緊張の高まりは回避できる可能性が高い」とした。
ムーディーズは2月、イスラム組織ハマスとの戦闘に絡む政治的および財政的リスクを踏まえ、イスラエルの格付けを「A1」から「A2」に引き下げた。これに続き、S&Pグローバル・レーティングは4月、格付け会社フィッチは8月にイスラエルの格付けを引き下げた。見通しはいずれも「ネガティブ」としている。
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