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中国が利下げと預金準備率引き下げ、成長目標達成へ景気刺激

ロイター / 2024年9月27日 17時31分

 中国国営メディアによると、中国人民銀行(中央銀行)は9月27日付で預金準備率を0.50%ポイント引き下げた。準備率は加重平均で6.6%となった。北京で2022年9月撮影(2024年 ロイター/Tingshu Wang)

[北京/上海 27日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は27日、金利を引き下げ、銀行システムに流動性を注入した。経済成長率を今年の目標である5%前後に引き戻すため、最終四半期入りを目前に景気刺激策を導入した。

中国共産党の意思決定機関、中央政治局は26日の月例会議で2024年の経済成長目標の達成に向けて「必要な財政支出」を実施する方針を示しており、10月1日から始まる連休の前にさらなる財政措置が発表されるとみられている。

関係筋がロイターに述べたところでは、中国財政省は新たな財政刺激策の一環で、今年約2兆元(2844億3000万ドル)相当の特別国債を発行する予定。[nL6N3L80GQ]

キャピタル・エコノミクスのアジア担当チーフエコノミスト、マーク・ウィリアムズ氏は、この政策によって年間の国内総生産(GDP)が0.4%押し上げられると予想。「年終盤が迫っているが、5%前後という目標に沿った成長を実現するには十分」との見方を示した。

中国は、急激な不動産市場の低迷と消費マインドの低迷により、強いデフレ圧力に直面。ここ数カ月のさまざまな経済データが予想を下回る中、エコノミストの間では、成長目標の達成が危ぶまれており、長期的な構造的減速が進行しているのではないかという懸念が高まっている。

国家統計局が27日発表した8月の工業部門企業利益は前年同月比17.8%減少し、前月の4.1%増から再び大幅な減少に転じた。

ゴールドマン・サックスのアナリストは「持続的な景気低迷は、政策決定者が痛みを認識する水準に達していると思われる」と指摘した。

人民銀行は27日付で銀行の預金準備率を50bp引き下げた。今年2度目の引き下げとなる。潘功勝総裁は、これにより新規融資のために約1兆元(1425億ドル)が解放されることになると述べ、年内に預金準備率をさらに引き下げる可能性を示唆した。

期間7日のリバースレポ金利も1.7%から1.5%に20bp引き下げた。

家計や企業の信用需要が弱いことから、数日中に発表されるとみられる財政措置に注目が集まっている。

財政省が計画する約2兆元の特別国債のうち、1兆元は消費財の買い替えと業務用機器の更新に対する補助金の増額に充てられる見込み。また2人以上の子どもを持つ世帯に対し、2人目以降の子どもに1人当たり毎月800元を支給する。残りの1兆元は地方政府の債務問題解決を支援するため使われる。

さらに大手国有銀行に最大1兆元の資本注入も検討されているとブルームバーグニュースが26日報じた。

関係筋がロイターに明らかにしたところによると、上海と深センは購入できる住宅数の制限を撤廃しようとしている。北京も市内のほとんどの地域で同様の制限を段階的に解除することを検討している。

中央政治局は26日の会議で、政府が「不動産市場の安定化を促進」すべきと表明。さらなる融資を受けられる住宅プロジェクトのホワイトリスト拡大や、遊休地の活性化を支持するとした。

9月の会合は通常、経済について議論する場ではないため、当局者の間で懸念が高まっていることを示している。

BNPパリバはメモで「直近の政治局会議から緊迫感が伝わってきた。これは中国の最高指導部が現在の経済状況にますます警戒を強めていることを示唆している」と分析した。

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