ブラジル、好調な経済が財政改善につながらず＝フィッチ

　９月２６日、格付け会社フィッチは公表した報告書で、ブラジルは予想より好調な経済が財政の改善につながっていないと指摘し、来年は財政状況が一段と厳しくなり、公的債務が大きく増えるとの見通しを示した。写真は２０１８年２月、サンパウロで撮影（２０２４年　ロイター/Paulo Whitaker）

[ブラジリア ２６日 ロイター] - 格付け会社フィッチは２６日公表した報告書で、ブラジルは予想より好調な経済が財政の改善につながっていないと指摘し、来年は財政状況が一段と厳しくなり、公的債務が大きく増えるとの見通しを示した。

フィッチは、ブラジルの最近の好調な景気は財政の緩和が一因かもしれないと分析。経済成長が力強い局面で財政が低迷するようであれば、景気が予想外に減速した場合に財政は一段と悪化する恐れがあると警告した。

報告書は「不確実な財政再建見通しこそが、ブラジルのソブリン格付け「ＢＢ」（見通しは安定的）を圧迫する主なマクロ経済面の脆弱性である」と強調した。

一方でフィッチは、歳入を増やすブラジル政府の取り組みの一部は「場当たり的措置」であり、財政目標を掲げつつも財政の構造改革には踏み込んでいないと主張した。

今年の基礎的財政収支（プライマリーバランス、ＰＢ）の赤字をゼロ、対国内総生産（ＧＤＰ）比の許容範囲をプラスマイナス０．２５％に設定している政府目標について、フィッチは達成されると予想。だが来年のＰＢの赤字は対ＧＤＰ比の見通しを従来の０．７％から１％に引き上げた。

ブラジルの総債務の対ＧＤＰ比は昨年の７４．４％から今年は７７．８％、２０２６年までには８３．９％に上昇すると見込んだ。