イスラエル、レバノン首都のヒズボラ本部を空爆 死傷者多数の報道

　９月２７日、イスラエル軍は、レバノン南部のイスラエル国境近くにあるシェバアを空爆し、地元当局によると子ども４人を含む一家９人が死亡した。レバノン南部で２７日撮影（２０２４年　ロイター/Amr Abdallah Dalsh）

James Mackenzie　Timour Azhari

［エルサレム／ベイルート　２７日　ロイター］ - イスラエル軍は２７日、レバノンの武装組織ヒズボラの首都ベイルート南郊にある本部を空爆したと発表した。

目撃者によると、市内では複数の爆発音が聞こえ、上空には濃い煙が上がっている。

ヒズボラ系のアルマナールテレビは、複数回の攻撃で建物４棟が破壊され、多数の死傷者が出たとし、煙がくすぶるクレーターの映像を報じた。

イスラエル軍のハガリ報道官はテレビで声明を発表し、ヒズボラの中央司令部は民間区域の奥深くに設置されていたと述べた。

レバノンの治安筋によると、攻撃はヒズボラの幹部が普段拠点を置いている地域を標的にしたものだった。今回の局面でベイルートを対象とした攻撃としては、最も激しいものとなった。

これより先、イスラエル軍は南部のイスラエル国境近くにあるシェバアを空爆し、地元当局によると子ども４人を含む一家９人が死亡した。

レバノン保健省によると、この日の攻撃で少なくとも２５人が死亡した。２３日以降の死者は７００人超に上るという。レバノンでは戦闘の影響ですでに１１万１０００人以上が住むところを追われているが、国連国際移住機関（ＩＯＭ）によると、今週その数がさらに９万人余り増えた。

国連難民高等弁務官事務所（ＵＮＨＣＲ）によると、ここ数日間で３万人がレバノンからシリアに渡っており、その８０％がシリア人だという。２０１１年に勃発したシリア内戦で、１００万人超のシリア人がレバノンに逃れた経緯がある。

ヒズボラは２７日、イスラエル北部ハイファ近郊のキリヤット・アタと、ティベリアに向けてロケット弾を発射したと発表した。今回の攻撃はイスラエルによる民間人への攻撃への報復だとしている。

イスラエルの防空網はヒズボラのロケット弾の多くを撃墜しているが、北部の多くの地域で市民生活に支障が出ている。

イスラエル軍は、レバノン国境の海域にレバノンから侵入した無人機（ドローン）４機を迎撃したと発表した。