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米政権のEV資源輸入方針、排出削減目標と非整合的 業界幹部指摘

ロイター / 2021年5月27日 12時34分

 米国内の電気自動車(EV)生産に必要な鉱物資源の大半を同盟国の供給に頼るというバイデン政権の方針について、業界幹部らは、現代の鉱物資源開発の複雑な事情を勘案しておらず、同国が掲げる野心的な温暖化ガス排出削減目標にそぐわないとして否定的見解を示した。写真はミシガン州ディアボーンのフォードEVセンターで演説するバイデン氏。18日撮影(2021年 ロイター/LEAH MILLIS)

[26日 ロイター] - 米国内の電気自動車(EV)生産に必要な鉱物資源の大半を同盟国の供給に頼るというバイデン政権の方針について、業界幹部らは、現代の鉱物資源開発の複雑な事情を勘案しておらず、同国が掲げる野心的な温暖化ガス排出削減目標にそぐわないとして否定的見解を示した。

EV資源を海外に依存する方針はロイターが25日に伝えた。政府はEVバッテリー部品などの加工産業強化を重視するサプライチェーン(供給網)戦略を進めていく方針だ。国内の鉱物資源採掘について環境保護団体からの反発が強いことに配慮している。

上院エネルギー・天然資源委員会の共和党トップ、ジョン・バラッソ氏は26日、バイデン氏は環境保護活動家の圧力に屈していると批判。「国内にある資源を採掘して米国の労働者・消費者のために使うべきだ」と強調した。

米ネバダ州でリチウム鉱床を開発する豪企業イオニア(ioneer)のジェームズ・キャラウェイ会長は米政府方針は「非常に考えが甘く、米国のEVサプライチェーンにとって極めて危険だ」と警告する。

バイデン政権は2030年までに国内の新車販売の約半分を電動化し、2040年までに米国全体で走行する車を全て電動化したい考え。

ネバダ州でリチウム鉱床を開発するカナダのリチウム・アメリカズのジョン・エバンズ最高経営責任者(CEO)は「米政権の時間軸を踏まえると、国内鉱山の開発拡大を認めるしか選択肢はない」と指摘した。

国際エネルギー機関(IEA)は今月、世界のリチウム需要は2040年までに40倍に膨らみ、コバルトとニッケル需要は少なくとも20倍に増えるとの見通しを示し、供給における課題を浮き彫りにした。

世界の二大リチウム生産国であるチリとオーストラリアは国内産リチウムのほとんどをアジアに輸出している。業界幹部らによると、輸出の一部を米国に回すよう期待するのは現実的ではないという。鉱物資源の調達に高額を支払うのをいとわない中国と競争する必要も生じる。

一方、アリ・ザイディ米大統領副補佐官(気候変動問題担当)は、国内の鉱物資源採掘を全てあきらめるわけではないと説明。「EVの国内生産と輸出は、米国産の部品や資源の活用も含まれる」とし、EV電池用の鉱物資源の責任ある開発・採掘が含まれるとの認識を示した。

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