米ボーイング、新型機777Xを23年まで生産停止 株価下落
ロイター / 2022年4月28日 2時20分
[ロイター 27日] - 米航空機大手ボーイングは27日、新型大型機777Xの生産を2023年まで停止すると発表した。認証を巡る問題や、需要低迷によって就航が遅れるため。777Xの開発では、異例となる15億ドルものコストを要している。
ボーイングの22年第1・四半期決算は赤字に陥り、取引開始前の株価は4%下落して160.39ドルを付けた。
1株当たりのコア損失は2.75ドルとなり、損失額は前年同期の1.53ドルから拡大。売上高は139億9000万ドルとなり、前年同期の152億2000万ドルから減った。
納入部材のコスト高、大統領専用機「エアフォースワン」と訓練用ジェット機に関する技術的な問題、ウクライナ戦争の影響によって12億ドル超の費用を計上した。
エージェンシー・パートナーズのアナリスト、ニック・カニンガム氏は顧客向けのノートで「全般的に混乱が続いている」とし、純負債額が過去最大の450億ドル超に達したと指摘した。
一方、小型機737MAXの納入を増やすことで、22年決算のキャッシュフローを黒字化するとの計画を提示。さらに787ドリームライナーの納入再開に向け、米連邦航空局(FAA)に認証計画を提出したとも発表した。787を巡っては、1年近くにわたる検査と修理によって約55億ドルのコストを投入。FAAの厳しい監視下で構造的欠陥の検査と修理をしており、生産は低迷していた。
ボーイングのカルフーン最高経営責任者(CEO)は27日に従業員向けのメモで「当初の航空機に必要な作業を完了し、試験飛行をしている」と伝えた。納期の遅れで長距離路線の運航を抑えている航空会社にとってプラス材料になる動きだ。
ただカルフーン氏は787の納入再開時期を明言しなかった。ロイターは先週、ボーイングが主要な航空会社や部材納入メーカーに対し、今年後半に納入を再開することを伝えたと報じた。
ボーイングは777X初号機の引き渡しが25年に延期されるとの報道を認めたが、このプログラムに引き続き自信を持っていると表明。
カルフーン氏は777―9型の生産停止は、ロイターが2月に報じた安全認証が長引いているのに基づいていると言及した。また、生産の一時停止は在庫削減などに寄与すると指摘。777Xの貨物派生機を新たに導入し、貨物機のラインアップを拡充するとも表明した。
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