スウェーデン中銀、金利据え置き 総裁「5月利下げの可能性高い」
ロイター / 2024年3月27日 22時34分
Simon Johnson
[ストックホルム 27日 ロイター] - スウェーデン中央銀行は27日、主要政策金利を予想通り4.0%に据え置いた。インフレ圧力が緩和し、数カ月以内に利下げか可能との認識を示した。
一時は10%を超えていたスウェーデンの総合インフレ率は中銀が目標とする2%に近づいており、今後も低下が予想されている。
一方で経済はほぼ成長が止まり、住宅ローンの返済は約15年ぶりの高水準となっている。
中銀は声明で「インフレ見通しがこの先も良好なら政策金利は5月か6月に引き下げられる可能性がある」と指摘した。
金融緩和により通貨クローナが下落することを続き懸念しているとし「従って金融政策は金利を段階的に引き下げるという形で慎重に調整される」と説明した。
テデーン総裁は総裁は記者団に対し、「予測が広い意味で正しければ、5月に利下げする可能性が高い」と述べた。
中銀の金利予想では5月に利下げされる確率は50%程度で、年内に計3回の引き下げを見込んでいる。
政策金利は第4・四半期に3.44%、2025年第1・四半期には3.2%になると予想した。
ノルデアのエコノミストは、「5月に利下げを開始するとの予想を維持する。今年末の水準は2.50%と予想している」と述べた。
キャピタル・エコノミクスの欧州チーフエコノミスト、アンドリュー・ケニンガム氏は、最初の利下げは5月とみているが、欧州中央銀行(ECB)や米連邦準備理事会(FRB)の政策決定の後になる6月の可能性も十分あるとみている。その後年内に3回の利下げを見込む。
総裁は、きょうの会合で利下げを決定するのは時期尚早で、インフレが低水準で安定推移することを確認したかったと指摘。金利は徐々に引き下げられるとの見通しを示した。
一方で借り入れコストの低下が家計の支出拡大につながることを懸念しており、「金利低下による需要や購買力の改善は一定程度良いことだが、早過ぎる利下げによる失敗は避けたい」と語った。
前回の利下げは16年初頭で、過去最低のマイナス0.50%に引き下げた。マイナス金利やゼロ金利は22年まで続いた。しかし22年のロシアのウクライナに侵攻を受けて物価が上昇し、中銀は最速ペースで利上げをした。
次回の政策会合は5月8日。
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