中国恒大の投資家、当局に最新情報求め慎重に協調行動
ロイター / 2024年11月27日 13時35分
中国の不動産開発大手、中国恒大集団の経営破綻によって損失を被った何百人もの中国人投資家が今月、同社に関する最新情報を求めて当局に働きかける協調行動を開始した。これまで報道されていなかったが、事情に詳しい関係者がロイターに明らかにした。写真は中国恒大が開発を担当した河北省の未完成住宅。2月撮影(2024年 ロイター/Tingshu Wang)
David Kirton James Pomfret
[深セン/香港 27日 ロイター] - 中国の不動産開発大手、中国恒大集団の経営破綻によって損失を被った何百人もの中国人投資家が今月、同社に関する最新情報を求めて当局に働きかける協調行動を開始した。これまで報道されていなかったが、事情に詳しい関係者がロイターに明らかにした。
この協調行動は、景気減速による金銭面の重圧が原因となって社会的不安の兆候が現れることに対し、政府が警戒を強めている時期と重なっている。
関係者によると、中国恒大に投資した計500人超が深センでの3回の行動に参加した。25日には中国恒大の本社がある地区の捜査当局を訪問。26日には深センの経済犯罪当局に列を作り、27日には深センの裁判所に足を運んだ。
いずれの行動も、1年以上前に開始された同社に対する捜査がどうなっているかを聞き出す狙いだ。当局に違法な抗議活動だとみなされないよう個別に当局への接触を図っているという。
ロイターは、これらの行動に関与した人の合計人数を確認できなかった。ロイターの記者は25日に捜査当局周辺で何十人もの人を目撃。27日には裁判所周辺に集まっている人も見た。
関係者の話では、行動の日時や集合場所は投資家グループの間だけで情報共有されている。中国恒大の投資家はこの2年余り、通信アプリ「微信(ウィーチャット)」の小規模グループ内でお互いに連絡を取り合っているという。
関係者の1人はロイターに「われわれは低姿勢を保ち、1対1で話す必要がある。そうしなければ解散させられてしまう」と語った。
中国恒大、深セン警察、深セン裁判所はコメント要請に返答していない。
中国恒大の資産運用商品は12%の利回りやグッチのハンドバッグといった景品をうたい、同社従業員を含めて8万人超が投資。投資総額は同社が破綻するまでの5年間で約140億ドルに膨らんだ。
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