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米政権、国際開発援助でも「自国優先」要求 違反職員には懲戒も

ロイター / 2025年1月27日 11時59分

 1月26日、トランプ米政権は米国際開発庁(USAID)の1万人超の職員に送ったメモで、トランプ大統領が掲げる「米国第一」主義に沿って米政府の世界への援助をどのように配分するかを変革するように促した。写真はウクライナ人救助隊員とUSAIDから提供された新しい装備。ウクライナのキーウで2023年7月撮影(2025 ロイター/Alina Smutko)

Humeyra Pamuk

[ワシントン 26日 ロイター] - トランプ米政権は25日に米国際開発庁(USAID)の1万人超の職員に送ったメモで、トランプ大統領が掲げる「米国第一」主義に沿って米政府の世界への援助をどのように配分するかを変革するように促した。その上で、政権の命令を無視する職員には「懲戒処分」を下すとけん制した。

管理・資源担当のケン・ジャクソン行政官補佐はメモで「私たちには大統領のビジョンの達成を支援する責任がある」と前置きした上で、「大統領は今後数十年にわたる対外援助への取り組み方を変革する、とてつもなく大きい機会を私たちに与えてくれた」と主張した。

トランプ氏は先週の就任以来、自身の2017―21年の第1次政権で敵対的だったと考えている連邦官僚機構の再編に向けて一歩を踏み出した。トランプ氏は多くの連邦政府機関で数百人の職員を配置転換または解雇した。

また、自身の外交政策の優先順位と一致しているかどうかを見直すとして対外援助を90日間停止するよう命じる大統領令を出した。国務省は今月24日、既存の援助や既に充当されている援助を含めた停止命令を出し、数十億ドルもの人道援助の行方が疑問視されている。

米国は単独国としては世界最大の援助国となっており、23会計年度には720億ドルの援助を支出した。国連がフォローしている24年の人道援助のうち米国は42%を提供した。

USAIDとホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)は、今回の件に関するコメント要請に応じなかった。

このメモは、世界での援助に携わっている人道支援団体などに衝撃を与えた。

メモによると、対外援助支出の停止は「完全な停止」を意味する。唯一の例外は緊急の人道的食糧援助と、任務に復帰する政府高官に対する援助となる。見直し期間中に緊急の食糧提供のための免除を受けるためには「詳細な情報と正当な理由」が必要となる。

さらなる免除にはUSAID指導部およびルビオ国務長官の承認が必要だとして「いかなる免除も、その免除を求める特定の援助が人命救助のために必要であること、現在の米国人直接雇用スタッフでは実行できないこと、さもなければ国家安全保障に重大な危険をもたらすことが明白に正当化されなければならない」とした。

USAIDは取引業者に対して「直ちに業務停止命令を出すこと」と 「既存の発注の修正または停止」を命じる通知を送り始めた。

人道支援団体や他の支援団体は、この命令が世界の救命活動にどのような影響を与えるかを理解しようと躍起になっている。

世界的な食糧安全保障を監視している国連の総合的食料安全保障レベル分類(IPC)の昨年12月の報告によると、米国が救命活動で重要な役割を担っているのはききんに苦しむスーダンで、少なくとも2460万人が緊急に食糧支援を必要としている。国連の24年のスーダンに対する人道援助のうち米国は45%を拠出した。

国連人道問題調整室(OCHA)の報道担当者は「資金が削減されれば、スーダンの人道支援活動に依存している最も弱い立場にある人々に打撃を与えることは避けられない」と指摘した。

支援団体CAREの最高人道支援責任者、ディープマラ・マーラ氏は「ききんは人々に空腹をもたらすだけではない。感染症や疾患と闘う力を弱め、病気にかかりやすくし、深刻な健康問題や死に至ることさえある」とした上で、「これは資金だけの問題ではない。紛争地域で最も弱い立場にある人々の生存に関わることだ」と強調した。

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