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アウシュビッツ解放80年追悼式典、生存者が反ユダヤ主義の拡大に警鐘

ロイター / 2025年1月28日 7時21分

1月27日、アウシュビッツ強制収容所の解放から80年の節目を迎えた、ポーランド南部オシフィエンチムの収容所跡で追悼式典が開かれた=写真(2025年 ロイター/Kacper Pempel)

[オシフィエンチム(ポーランド) 27日 ロイター] - アウシュビッツ強制収容所の解放から80年の節目を迎えた27日、ポーランド南部オシフィエンチムの収容所跡で追悼式典が開かれた。

ナチス・ドイツが開設したアウシュビッツ強制収容所では1945年にソ連軍が解放するまで、凄惨なホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)が行われていた。

追悼式典には生存者や、ドイツのショルツ首相、ウクライナのゼレンスキー大統領、英国のチャールズ国王、フランスのマクロン大統領、ポーランドのドゥダ大統領らが出席。生存者からは、反ユダヤ主義の高まりの危険性に改めて警鐘が鳴らされた。

1944年にアウシュビッツへ送られ、その後「死の行進」と呼ばれるドイツ国内の収容所への過酷な移動を生き延びたマリアン・トゥルスキさん(98)は「現代にも反ユダヤ主義が大きく広がっており、反ユダヤ主義こそがホロコーストにつながった。われわれは隣人間のさまざまな問題を解決できると自分たちを納得させることに不安を抱かないようにしよう」と訴えた。

同じく1944年に家族と引き離されてアウシュビッツに送られたレオン・ウェイントラウブさん(99)は、不寛容の危うさを警告。「われわれが本日追悼しているような出来事をもたらした考え方に対抗する努力を強化することを求める」と語った。

著述家兼研究者のトバ・フリードマンさん(86)は「アウシュビッツ解放から80年を経て、世界は再び危機に陥った。われわれのユダヤ・キリスト教的価値観は偏見や恐怖、疑念、過激主義によって覆い隠されている。各国に強烈な反ユダヤ主義が広がっているのはショックだ」と述べた。

2023年10月にパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスから奇襲攻撃を受けたイスラエルが、ガザ攻撃を激化させたのに伴って、欧州や北米、オーストラリアなどでイスラエルへの批判とともに反ユダヤ主義の動きが目立つようになった。

世界ユダヤ人会議のロナルド・ローダー会長は、この戦争を背景にユダヤ人への嫌悪が拡大していると指摘した上で「若者が情報のほとんどをソーシャルメディアから入手しているのは危険だ」と付け加えた。

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