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ノババックスのコロナワクチン、英治験の有効性89.3% 南アは60%

ロイター / 2021年1月29日 8時47分

 1月28日、米バイオ製薬・ノババックスは、同社が開発した新型コロナウイルスワクチンの英国での治験の暫定分析で、感染を防ぐ有効性は89.3%だったと発表した。英国で最初に見つかった感染力の強い変異種に対する有効性は85.6%と、ほぼ同水準だった。11日撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

[シカゴ 28日 ロイター] - 米バイオ製薬・ノババックスは28日、同社が開発した新型コロナウイルスワクチンの英国での治験の暫定分析で、感染を防ぐ有効性は89.3%だったと発表した。英国で最初に見つかった感染力の強い変異種に対する有効性は85.6%と、ほぼ同水準だった。

また、感染力が強い別の変異種が流行している南アフリカの中期治験では、エイズウイルス(HIV)未感染者に対する有効性は60%となった。

有効性の報告を受けて同社の株価は、引け後の時間外取引で26%急騰。米国では同日、南ア変異種の感染者が初めて確認された。

ノババックスの英国の治験には18─84歳の1万5000人が参加。英国や欧州連合(EU)などの当局への許可申請に治験で得られたデータが、活用される見通し。

同社幹部らは電話会見で、英国と南アのデータが米国で緊急使用許可を申請するのに十分かどうかについて、米食品医薬品局(FDA)と協議していると明らかにした。

同社はデータを公表していない。

英国の治験で示されて有効性は、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発し既に使用許可が下りているコロナワクチンや、米モデルナの承認済みのワクチンの有効性(約95%)に近かった。

米コーネル大学医学部のジョン・ムーア教授は、ノババックスの英国でのデータは、ファイザーとモデルナのワクチンの治験結果とほとんど変わらないと指摘。「英国で流行している従来型のコロナウイルスに基本的に有効で、つまりは米国でも同様に有効である可能性が高い」と述べた。

ノババックスの南アでのワクチン治験で調査を主導するシャビール・マディ教授は60%の有効性は「南アで現在感染が拡大し、世界に広がりつつある非常に憂慮すべき変異種の感染症予防に有効であることを明確に示している」と強調した。

モデルナとファイザー・ビオンテックの治験では、南アの変異種に対してワクチンの効果が弱まることが示されている。

ノババックスは、変異種の感染を防ぐための新型ワクチンの生産を1月初旬に開始したと説明し、数日内にワクチンのブースター(追加免疫)を決定する見通しだとした。新型ワクチンの治験は第2・四半期の開始を計画している。

同社は現在、米国とメキシコでも3万人規模の治験を実施している。

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