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HIS、21年10月期は500億円の最終赤字 コロナで旅行需要減

ロイター / 2021年12月28日 18時25分

エイチ・アイ・エスは28日、2021年10月期の連結最終損益が500億円の赤字になったと発表した。資料写真、都内で2020年11月撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)

[東京 28日 ロイター] - エイチ・アイ・エスは28日、2021年10月期の連結最終損益が500億円の赤字になったと発表した。コロナワクチンの接種は進んだものの、入国制限や渡航制限等の措置が継続されており、厳しい事業環境が続いた。最終赤字は2期連続となり、20年10月期に比べて赤字幅は約2倍に拡大した。

21年10月期は、雇用調整助成金などで207億円の特別利益を計上する一方、コロナ対策としての臨時休業や減損損失などで84億円の特別損失を計上した。

21年のグループ従業員は1万2450人で19年比約32%減、旅行業の営業拠点数は328で同約40%減と事業の効率化を図ったものの、コロナによる旅行需要の減少の影響はカバーできない状況だ。

沢田秀雄会長兼社長は会見で「今期がボトム想定だが、依然油断できない状況」と述べ、ワクチン接種による人流回復はみられるものの、新たな変異株の広がりや日本の入国制限などを悪材料として意識している。引き続き、さらなる営業拠点の削減など徹底したコスト削減を進める方針。

今後については、国内旅行が先行して回復。ハウステンボスは「今期黒字化する」(沢田会長)とみている。海外旅行はハワイやグアムなどのビーチが先行する形で8月頃からの回復を見込んでいる。

さらに、コロナにより収益が大きな打撃を受けたことから、コロナ前に旅行関連事業が営業利益の90%を占めていたビジネスモデルを転換し、将来は、非旅行事業を50%とする方針を示した。このため、新規事業には積極的にチャレンジしていく。

22年10月期見通しについては、新型コロナウイルス感染症による影響を現時点で合理的に算定することが困難だとし、予想の開示を見送った。IBESのコンセンサス予想によると、アナリスト7人の通期純損益予想の平均値は71億円の赤字となっている。

<Gotoトラベル不適切受給、沢田会長らに減俸処分>

連結子会社であるジャパンホリデートラベルとミキ・ツーリストにおいて、政府の観光支援策「Gotoトラベル」事業で不適切な受給が発覚、決算発表も遅れた。

これにより21年10月期決算では、売上高で20億円、営業利益で5.8億円、純利益で3.9億円の修正を行ったという。

24日に調査報告書が公表されたことを受けて、沢田会長が基本月額報酬の75%減額を3カ月などの取締役減俸処分を来年1月から実施。また、ミキ・ツーリストの社長は解任、ジャパンホリデートラベル社長の取締役への降格も発表した。

観光庁は28日、親会社のHISのガバナンスの欠如に対し厳重注意を行い、改善策の策定を指示した。同社は、年明けに提出できるように改善策の策定を進めるとした。また、観光庁は、不正のあった2社を今後開始予定の新たなGotoトラベル事業への参加停止としたほか、刑事告訴も視野に入れつつ、捜査機関と適切に連携し、引き続き必要な調査等を進めていく、としている。

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