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アングル:フォードの電池工場中断、米EV市場のテスラ1強鮮明に

ロイター / 2023年9月28日 16時13分

 米フォード・モーターがミシガン州で計画していた35億ドル規模の電池工場建設を一時中断したことは、米電気自動車(EV)市場で増え続けるテスラのライバルにとっての難題を浮き彫りにしている。写真はガソリンスタンドで、テスラの急速充電システム「スーパーチャージャー」を使用するEV。3月18日、テキサス州ベイタウンで撮影(2023年 ロイター/Bing Guan)

Paul Lienert Joseph White

[27日 ロイター] - 米フォード・モーターがミシガン州で計画していた35億ドル規模の電池工場建設を一時中断したことは、米電気自動車(EV)市場で増え続けるテスラのライバルにとっての難題を浮き彫りにしている。それはテスラ1強でほとんどが採算の合わない状態に追いやられているというものだ。

世界の自動車メーカーは米国で数多くの新型EVを発売し、EV・電池工場の新設に多額の資金を投じている。しかし、ロイターが2023年1─6月の米販売データを分析したところ、テスラの「モデルY」と「モデル3」以外に、本格的な組立工場を支えられるほど売れているEVはほとんどない。

S&Pグローバル・モビリティーのデータによると、上半期のブランド別販売でテスラは競合他社19社に大差をつけた。

テスラは1─6月に米国で32万5291台を販売。2位となったゼネラル・モーターズ(GM)の「シボレー」ですら3万4943台にとどまり、フォード、現代自動車、リビアンが続いた。

車名別販売台数ではテスラの全4車種がトップ12入りし、モデルYとモデル3はそれぞれ20万台と16万台で1位と2位を占めた。

これに対し、シボレーの「ボルト」は3万5000台、フォードの「マスタング・マッハE」は1万3600台と、典型的な組み立て工場で採算を取るには十分な台数とは言えない。  

業界団体「自動車イノベーション協会」がまとめたデータによると、プラグインハイブリッド車や燃料電池車を含む電動車の販売台数は上半期に米国市場の8.9%を占め、前年同期から2.6ポイント上昇した。

一方、同団体の最新の四半期報告書によると、米市場で販売されているEVは103車種に上る。

一部アナリストは米EV市場が全ての新しい電池・組み立て事業を支えるのに十分な速さで成長するかどうかを疑問視。こうした中で下されたのがフォードによる中断決定だった。

フォードは7月、EV部門の通期赤字が45億ドルと、今年それまでの想定から50%増えると予想。EV生産の拡大ペースを落とすと発表した。

コックス・オートモーティブは26日のメディア向けプレゼンテーションで、テスラが今年、新規参入企業の増加に伴い米EV販売シェアを幾分落としたが、それでも全体の3分の2近くを占めていると指摘。他のブランドは10%も超えていない。

コックスは、第3・四半期の米自動車販売全体に占めるEVの割合は1年前の約6.5%から8%に上昇すると見込んでいる。

しかし、成長の一部は価格の下落によってもたらされる可能性が高い。この傾向は大きな利益率を武器に価格を引き下げ、販売を拡大しているテスラが主導。コックスによると、EVの平均小売価格は1年前の7万ドル近い高値から、今年7月には5万3376ドルまで下落した。

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