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アングル:北朝鮮の衛星打ち上げ失敗、新燃料使用で前進との声も

ロイター / 2024年5月28日 17時57分

 5月28日、北朝鮮の偵察衛星の打ち上げはわずか数分で失敗したが、アナリストからは宇宙開発競争で前進を示したとの声があがっている。写真は北朝鮮の旗。ジュネーブで2017年11月撮影(2024年 ロイター/Denis Balibouse)

Ju-min Park Josh Smith

[ソウル 28日 ロイター] - 北朝鮮の偵察衛星の打ち上げはわずか数分で失敗したが、アナリストからは宇宙開発競争で前進を示したとの声があがっている。

朝鮮中央通信は「液体酸素と石油エンジンを搭載したロケットの1段目が空中爆発して失敗した」とする北朝鮮当局者の発言を伝えた。新たに開発した液体燃料ロケットエンジンが原因の可能性があるものの、他の要因についても調査を進めているとした。

ロケットの名称や写真は公表されていないが、アナリストによれば、昨年11月の衛星打ち上げに使用された「千里馬1型」とは異なる可能性が高い。

米政府高官やアナリストによると、千里馬1型は北朝鮮の核搭載大陸間弾道ミサイル用に開発されたシステムをベースにしている。

韓国科学技術政策研究院のイ・チュングン氏は、石油燃料と液体酸素のエンジンは昨年北朝鮮の衛星計画支援を宣言したロシアが支援を提供した可能性を示唆しているとの見方を示した。

同氏は「失敗したが大きな飛躍」と分析。「韓国の宇宙ロケットのいくつかは数十年前にロシアと共同開発されたもので、同様の技術を使っている」と指摘した。

また「ロシアは液体酸素ケロシン燃料に最も強い国。われわれの羅老ロケットとヌリロケットはロシアとの技術協力によって液体酸素ケロシン燃料を採用している」と述べた。液体酸素はマイナス183度で沸騰するため、特殊な燃料貯蔵装置などが必要だと指摘。昨年末、北朝鮮が何度もロケットの静的試験を行ったのはそのためかもしれないという。

一部のアナリストは、北朝鮮がなぜエンジンの種類を変更するのか疑問視しているが、同氏は国連安全保障理事会で禁止されている弾道ミサイルから切り離すことができると指摘した。

韓国国防安全保障フォーラムのシン・ジョンウ氏は、ロシアが新型ロケットや人工衛星の設計に協力した場合、北朝鮮も将来にわたってロシアの部品を必要とする可能性が高く、協力関係が深まるとの見方を示した。

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