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EU首脳、欧州委員長にフォンデアライエン氏指名 2期目続投

ロイター / 2024年6月28日 9時32分

 欧州連合(EU)は6月27日の首脳会議で、ドイツの中道右派フォンデアライエン氏を2期目となる欧州委員長に指名した。任期は5年。16日、スイスのシュタンスシュタットで代表撮影(2024年 ロイター)

[ブリュッセル 27日 ロイター] - 欧州連合(EU)は27日の首脳会議で、ドイツの中道右派フォンデアライエン氏を2期目となる欧州委員長に指名した。任期は5年。EU首脳会議の次期議長(EU大統領)にはポルトガルのコスタ元首相を選んだ。

ボレル外交安全保障上級代表の後任にはエストニアのカラス首相を指名した。

今月初めの欧州議会選では極右勢力が躍進したが、指導部の主要ポストは中道の親EU派が維持した。

EU外交筋によると、右派であるイタリアのメローニ首相はフォンデアライエン氏に関する投票を棄権し、コスタ、カラス両氏の指名には反対したという。メローニ氏はXへの投稿で「国民と選挙中に国民から示された意見を尊重して」反対を決めたと説明した。

同じく右派のハンガリーのオルバン首相は、フォンデアライエン氏に反対票を投じ、カラス氏には投票しなかったという。

新委員長は欧州議会の承認を経て正式決定する。フォンデアライエン氏は「強力な欧州を求める幅広い多数派を説得することが課題だ。これが私が目指すところだ」と述べた。

フォンデアライエン氏は中道右派、コスタ氏は中道左派、カラス氏は欧州リベラル派で、指導部人事は政治的にも地理的にもバランスが取れている。

カラス氏は「地政学的緊張が高まっている中、極めて重大な責務だ。欧州では戦争が起きているが、世界的にも情勢は一段と不安定になっている」と語った。コスタ氏は新たな役割で「27加盟国間の団結を後押しすることに全力を尽くす」と述べた。

首脳会議ではウクライナとの安全保障協定でも合意に達した。ロシアに対するEUの防衛力強化についても議論し、今後5年間のEUの戦略的優先事項で合意した。

安全保障協定は、武器の供給や軍事訓練、防衛産業における協力、地雷除去など9分野でウクライナを支援するという内容。ミシェル大統領は「ウクライナを支援するというEUの揺るぎない決意の証拠だ」と強調した。

外交筋によると、フォンデアライエン氏は首脳会議で、EUは今後10年間で防衛費に5000億ユーロ(5353億ドル)を投資する必要があるとし、資金調達の選択肢は各国の拠出金やEU独自の財源、共同借り入れなど多岐にわたると説明した。

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