G20、超富裕層課税で初の閣僚宣言 協議の場を巡り溝
ロイター / 2024年7月28日 13時50分
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は26日、世界の超富裕層に対する効果的な課税で協力する意向を示した初の閣僚宣言を採択した。写真はイエレン米財務長官。リオデジャネイロで26日撮影(2024年 ロイター/Tita Barros)
Bernardo Caram Marcela Ayres
[リオデジャネイロ 26日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は26日、世界の超富裕層に対する効果的な課税で協力する意向を示した初の閣僚宣言を採択した。
同会議は共同声明と国際租税協力に関する閣僚宣言で「超富裕層」への公正な課税に言及することに合意。ロイターが入手した閣僚宣言の最終草案は「われわれは超富裕層個人への効果的な課税を実現するため協力的に関与していく」としている。
ただ、この問題を国連で議論するのか、欧米など先進国で構成する経済協力開発機構(OECD)で議論するのかを巡り、すでに見解の相違が生じている。
イエレン米財務長官はロイターに対し、国際課税を巡る議論を過去3年間進めてきたOECDでこの問題を取り上げる方がよいと指摘。「国連に移すのは避けたい」とし「(OECDは)コンセンサスに基づく組織だ。われわれは非常に大きな進歩を遂げてきた。国連にはこれに対処する技術的な専門知識がない」と述べた。
一方、関係筋によると、主要新興国はすでにこうしたアプローチに反発。同筋は、議長国ブラジルが国連とOECDの双方で議論を進めることを提唱すべきだと述べた。
超富裕層にグローバル・ミニマム税を課すことを強く主張しているノーベル賞経済学者ジョセフ・スティグリッツ氏らは、グローバル課税の協力では国連が適切な場になると主張。
オックスファム・インターナショナルの課税政策責任者スサナ・ルイス氏は「G20は国連と歩調を合わせ、真に民主的なプロセスを確立すべきだ」とし、先進国クラブのOECDに委ねるのは十分とは言えないと述べた。
ブラジル財務省高官はOECDも国連も正当な協議の場であるとした上で「どのような形になるかは、今後行われる多くの対話にかかっている」と述べた。
超富裕層に対する国際課税を巡っては実現に懐疑的な見方も根強く、G20会合に出席したある欧州当局者は「この問題を前に進めるのは非常に難しいのではないか」と述べた。
この記事に関連するニュース
-
G20リオ首脳会合、飢餓対策と超富裕層への課税強化の協力で合意(ブラジル、アルゼンチン、世界)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月22日 16時20分
-
新興・途上国「グローバル・サウス」の影響力拡大、G20首脳会議で世界に印象づける…「対トランプ氏」では温度差
読売新聞 / 2024年11月21日 7時20分
-
G20首脳宣言発表、紛争巡る懸念や温暖化対策での協力表明
ロイター / 2024年11月19日 10時59分
-
G20「安心安全・信頼できるAIへ協力」…首脳宣言の原案判明、危機感を共有しルール作りを加速
読売新聞 / 2024年11月19日 5時0分
-
G20首脳会議がリオで開幕へ…昨年の首脳宣言でロシアの侵略「非難」せず、一致点見いだせるか焦点
読売新聞 / 2024年11月18日 17時20分
ランキング
-
1スシロー「パペットスンスン」コラボに言及「追加販売を検討」 発売当日に一部完売したグッズも
ORICON NEWS / 2024年11月22日 17時45分
-
2【独自】船井電機前社長『不正を働いたことはない』 “破産の申し立て”は報道で知る「本当に驚いた。なんでこんなことに…」
MBSニュース / 2024年11月22日 18時20分
-
3物価高に対応、能登復興支援=39兆円規模、「103万円」見直しも―石破首相「高付加価値を創出」・経済対策決定
時事通信 / 2024年11月22日 19時47分
-
4NY株3日続伸、最高値更新 426ドル高、次期米政権期待で
共同通信 / 2024年11月23日 8時1分
-
5ファミマ、プラ製スプーン「有料化」の実験結果を発表 大手コンビニで初、どうなった?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月21日 12時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください