原油先物4%超安、イスラエルの対イラン報復攻撃が抑制的
ロイター / 2024年10月28日 9時52分
Florence Tan
[シンガポール 28日 ロイター] - アジア時間の原油先物は3ドル超下落している。イスラエルがイランに対する報復攻撃で石油や核関連施設を標的としなかったことを受け、中東の地政学的緊張を巡る懸念が和らいだ。
2304GMT(日本時間午前8時04分)時点で、北海ブレント先物は3.17ドル(4.2%)安の1バレル=72.88ドル、米WTI先物は3.13ドル(4.4%)安の68.65ドル。
取引序盤にはともに10月1日以来の安値を付けた。
前週は10月1日のイランによるミサイル攻撃を受けたイスラエルの対応を巡る不透明感から値動きの荒い展開となる中、4%上昇していた。
イスラエル軍は26日、イランのミサイル製造施設など軍事標的に対する攻撃を実施した。
アナリストはイスラエルの報復攻撃を見込んで原油価格に織り込まれていた地政学的リスクプレミアムが失われたと指摘。
MSTマーキーのエネルギーアナリスト、ソール・カボニック氏は、石油インフラを避けるなど攻撃がより限定的だったことを受け、緊張緩和への期待が高まっていると述べた。
ただ「全体的な傾向としては情勢は依然としてエスカレートしており、新たな攻撃が発生して原油価格が上昇する余地はかつてないほ拡大している」とも語った。
また、エバンス・エナジーのアナリスト、ティム・エバンス氏はこれにより市場は少なくとも幾分過小評価された状態になるだろうと指摘。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が減産縮小計画を12月以降に延期する可能性もあると述べた。
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