メルセデス・ベンツ、第3四半期純利益半減でコスト削減強化へ
ロイター / 2024年10月28日 10時20分
ドイツ自動車大手メルセデス・ベンツは10月25日、第3・四半期決算で純利益が半減したことを受け、コスト削減の取り組みを強化する方針を示した。中国での需要低迷と厳しい競争を減益理由に挙げた。3月4日、シュトゥットガルト郊外のショールームで撮影(2024年 ロイター/Wolfgang Rattay)
Andrey Sychev
[25日 ロイター] - ドイツ自動車大手メルセデス・ベンツは25日、第3・四半期決算で純利益が半減したことを受け、コスト削減の取り組みを強化する方針を示した。中国での需要低迷と厳しい競争を減益理由に挙げた。
第3・四半期のメルセデス・ベンツ部門の調整後売上高利益率は前年同期の12.4%から4.7%に低下し、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以降、最悪を記録。同部門の純利益は50%強減少し、減少率はアナリスト予想を上回った。
ハラルド・ウィルヘルム最高財務責任者(CFO)は「第3・四半期の業績は、われわれの意欲的な目標に達していない」と説明し、グループでコスト圧縮の取り組みを強化すると付け加えた。ウィルヘルム氏はコスト削減の詳細については明言を避けたが「より厳しくなることは間違いない」と強調した。
メルセデスは第3・四半期中に通期利益見通しを2度引き下げていた。ほかの欧州自動車メーカー同様、中国市場の低調を減益と利益率低下の原因とした。
同社は中国での価格戦争に加わることを拒否し、大規模な新型モデルの展開で来年は販売台数が回復するとの期待から「量より価値」戦略を維持したいと考えている。
LSEGのデータによるとメルセデスの株主上位30位に名を連ねるユニオン・インベストメントのポートフォリオマネージャーは、量より価値のアプローチは需要と生産能力がほぼ等しい場合には成功する可能性があるものの、メルセデスの現状はそうではないと指摘。その上で中国需要は現在、手頃な価格の電気自動車(EV)に集中しているが、メルセデスはここで提供できる製品を持っていないとの見方を示した。
メルセデスは2020年、2019─25年の間にコストを20%削減する計画を策定。ウィルヘルム氏によると、このうち15─16%は既に達成されたという。
販売台数について同社は、2024年通期は前年比微減、第4・四半期は第3・四半期並みを予想している。
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