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米複数州がコロナ制限緩和、中西部オハイオ・ミシガンで対応に相違

ロイター / 2020年4月28日 10時48分

米国で新型コロナウイルス感染拡大で休止状態にある経済活動再開に向けた動きが強まっている。ジョージア州スマーナで撮影(2020年 ロイター/ELIJAH NOUVELAGE)

[ワシントン/デトロイト/ヒューストン 27日 ロイター] - 米国で新型コロナウイルス感染拡大で休止状態にある経済活動再開に向けた動きが複数の州で強まっている。オハイオ州のデワイン知事はこの日、経済再開に向けた「最初のステップ」を公表した。一方、ミシガン州のウィットマー知事は、「人為的な日程」には縛られないと強調し、同じ中西部でも異なる対応が表面化した。

オハイオ州は、5月1日から入院の必要のない不急の手術の再開を許可するほか、歯医者や獣医などの営業も再開する。その3日後には製造業、流通業、建設業が営業を再開。一般企業の従業員のオフィスへの出社も認める。ただ、企業に対し可能な限りテレワークを継続するよう呼び掛けた。

その後、5月12日には小売業などが営業を再開するが、レストランや美容院などの営業再開はその先になる。

デワイン知事は「これは最初のステップだ。人々の職場復帰や活動再開を進める必要がある」と述べた。

ただ、「新型ウイルスは消滅したわけではない。これまでと同様に危険な状態は続いている」とし、マスク着用のほか、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)などの措置は引き続き必要になるとの認識を示した。

一方、ミシガン州のウィットマー知事は、主要産業である製造業などの再開に向けた計画を依然明らかにしていない。

オハイオ州とミシガン州の異なる対応は、中西部の複数州で相互に連携した操業体制を持つ自動車メーカーやその他の業界の生産再開を複雑にする可能性がある。

オハイオ、ミシガンを含む中西部7州は今月、経済再開で連携することで合意している。

両州はまた、11月の大統領選の行方を左右する可能性のある重要州でもある。ウィットマー知事は、民主党の大統領候補指名を確実にしたジョー・バイデン氏の副大統領候補として名前が挙がっている。

ウィットマー知事は記者会見で、屋外事業や住宅・商業建設の再開を最初に認める可能性が高いとしたが、時期は明らかにせず、「人為的な日程ではなく、データを指針にする」と述べた。

同知事はまた、ミシガン州を8つの地域に分け、感染状況が深刻なデトロイト周辺をそれ以外の地域から分離した上で、再開に向けたリスクの判断材料にする考えを示した。

先週、各州の先陣を切ってロックダウン(都市封鎖)措置を一部緩和したジョージア州では27日、レストランでの店内飲食や映画館の営業再開が容認された。

あるレストランチェーンは顧客が少なくとも2メートル離れて食事ができるよう、店内のレイアウトを変更し、店内の消毒や従業員のマスク着用などを徹底。一方、同日に店内飲食再開に動かないレストランもあった。

ミネソタ、ミシシッピ、コロラド、モンタナ、テネシーの各州も今週、ロックダウンの一部緩和に向けた用意を進めている。

コロラド州では同日から、小売業によるカーブサイドピックアップ(ネットで注文し店舗駐車場などで商品を受け取る)再開が容認された。5月1日には美容・理容室、入れ墨店などの営業が再開される可能性があり、その後、レストランや映画館が続く見通し。

オクラホマ、アラスカ、サウスカロライナの各州でもすでに制限措置が一部緩和されている。

テキサス州のアボット知事は、第1段階の措置緩和を5月1日に開始すると表明。レストランや小売店などの営業について、客数を許可されている収容人数の25%に限定することを条件に再開する。

第2段階の緩和は感染状況を注視しながら実施。感染拡大のペース鈍化が確認されれば、5月18日に収容人数の50%までを容認する。

ジム、バー、美容院などの再開はその後に検討。保育園や子供向けサマーキャンプの再開に向けた方法も検討しているが、現時点では何も決定されていない。

一方、新型コロナ流行が深刻なニューヨーク、ニュージャージー両州の知事は、ビジネス活動の再開は少なくとも数週間先で、限定的になるとし、より慎重な姿勢を鮮明にした。

クオモ・ニューヨーク州知事は、5月15日まで導入されている外出禁止措置を州内の多くの地域で延長する見通しを示した。一方、入院患者受け入れに十分な余地がある一部地域では規制が緩和される可能性があると述べた。

マーフィー・ニュージャージー州知事は「州民の健康が経済の健康に先んじる必要がある」とし、同日予定していた同州の経済再開を巡る行程表の発表を少なくとも1日延期するとした。さらに3月21日に導入された外出禁止措置は、新型コロナ新規感染者数が14日間持続的に減少するまで維持すると表明した。

しかし、同日までの国内感染者数が97万人超に達し、死者も5万5000人を超える中、公衆衛生専門家らは感染例が再び急増する可能性があると警告し、ウイルス検査の実施を拡大するよう呼び掛けた。

*ミシガン州の状況などを追加しました

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

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