エンブラエルがボーイングに対し仲裁手続き開始、中国との提携も
ロイター / 2020年4月28日 9時37分
ブラジルの小型航空機メーカー、エンブラエルは4月27日、米航空機大手ボーイングがエンブラエル商用機部門の買収合意を突如撤回したことを受け、仲裁手続きに着手したと明らかにした。2018年2月28日、ブラジルのサン・ジョゼ・ドス・カンポスのエンブラエル本社で撮影(2020年 ロイター/Roosevelt Cassio)
[サンパウロ/ブラジリア 27日 ロイター] - ブラジルの小型航空機メーカー、エンブラエル
両社は24日までに42億ドルでの買収合意の具体的な実施方法を決める予定だったが、話し合いはまとまらず、ボーイングが期限の延長に応じなかったため、交渉は決裂した。
土壇場での合意撤回は投資家にも歓迎されず、27日にエンブラエルの株価は急落した。
エンブラエルのゴメス最高経営責任者(CEO)は27日の電話会見で、仲裁手続きの詳細へのコメントは控え、手続き後にブラジルか米国で訴訟が行われるかどうかにも言及しなかった。
一方、かつて国営企業だったエンブラエルの軍用機の大口顧客であり、同社の経営方針にいまも影響力を持つブラジル政府は、ボーイングによる買収合意撤回を機に、エンブラエルの新たな提携相手として中国に注目している。
ブラジルのモウラン副大統領は「われわれにはノウハウがあり、彼ら(中国)はそれを必要としている。(中国との)提携は必然で、続ける必要がある」と述べた。
ボルソナロ大統領は27日、エンブラエルは新たな買い手を模索する可能性があると記者団に語った。
エンブラエルのゴメスCEOは新たな企業への売却の可能性を排除しなかったが、それ以上のコメントは差し控えた。
UBSは27日、中国がエンブラエルの商用機部門の買収に関心を示す可能性があると指摘。顧客向けノートで「中国は引き続き世界の航空宇宙産業の主導権を望んでおり、エンブラエル買収で設計と開発双方の人材が得られる」との見方を示した。
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