スウェーデン中銀、政策金利0.00%に据え置き 必要となれば利下げも
ロイター / 2020年4月28日 19時27分
4月28日、スウェーデン中央銀行は、政策金利のレポレートを予想通りゼロ%に据え置くとともに、新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響を緩和するために導入した一連の措置にも大きな変更は加えなかった。ストックホルムの中銀前で2016年8月撮影(2020年 ロイター/Violette Goarant)
[ストックホルム 28日 ロイター] - スウェーデン中央銀行は28日、政策金利のレポレートを予想通りゼロ%に据え置くとともに、新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響を緩和するために導入した一連の措置にも大きな変更は加えなかった。ただ、必要となれば追加の措置を取る用意があるとも表明した。
スウェーデンが第二次世界大戦以降で最悪の不況に直面する中、中銀はドル建て・クローナ建ての融資や量的緩和プログラムの拡大など、一連の金融システム対策を打ち出している。
ただ、他の主要中央銀行とは異なり、政策金利は据え置いている。信用供与に注力し、家計や企業の金利負担が増えないようにする方がよいとの判断からだ。
中銀は声明で「(新型コロナ感染抑制のために)導入された制限措置や人々の感染拡大への不安が原因で景気が悪化しているときに、レポレートの引き下げによって需要を増やそうとすることは正当化できないと考えた」と表明した。
一方で、「需要を刺激し、景気の回復局面でインフレ動向を支援するのに効果的措置と考えられれば」利下げも排除しない考えを示した。
スウェーデンでは学校や店舗を閉鎖していないが、供給網の問題や感染拡大防止措置によって多くの企業が休業を余儀なくされ、労働者の一時帰休や解雇に追い込まれている。
多くの企業が打撃を受けていることから、中銀は、失業率が10%超に急上昇すると予想。これは2008─09年の金融危機時を上回る水準となっている。
また中銀はスウェーデン経済の展望について2つのシナリオを提示。1つは今年6.9%前後のマイナス成長となった後、2021年に急回復するというもの。もうひとつは、今年は9.7%のマイナス成長、来年の景気回復も小幅なものにとどまるという、より悲観的なシナリオだ。
いずれのシナリオでもインフレ率は2020年に0.6%と、中銀が目標とする2%から大きくかけ離れた水準に低下する。
政策決定を受け、スウェーデンクローナ
ノルデアのエコノミストは「可能性はやや低下したものの、今年中の利下げは排除しえない」と指摘した上で、3000億クローナの量的緩和プログラムも拡大すると予想。「それ以外に中銀ができることはない」とした。
ロイター調査によると、大多数のエコノミストが今回の決定会合での金利据え置きを予想していた。レポレートの予測中央値は少なくとも2021年末までゼロ%となっている。
*内容を追加しました。
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