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AI株にディープシークの衝撃、エヌビディアは約5930億ドル消失

ロイター / 2025年1月28日 9時33分

 1月27日、中国の低コスト人工知能(AI)モデルの出現が米半導体大手エヌビディアのようなAIリーダーの優位性を脅かすことへの懸念から、世界的にハイテク株が売られた。写真は、携帯に表示されたディープシークのロゴ。同日撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Sinéad Carew Amanda Cooper Ankur Banerjee

[ニューヨーク/ロンドン/シンガポール 27日 ロイター] - 中国の低コスト人工知能(AI)モデルの出現が米半導体大手エヌビディアのようなAIリーダーの優位性を脅かすことへの懸念から、27日は世界的にハイテク株が売られた。

エヌビディアは時価総額が5927億ドル吹き飛んだ。

先週、中国の新興企業ディープシークは、既存サービスに比べてわずかなコストで少ないデータを使用しているという無料のAIアシスタントを公開。27日までに、このアシスタントはアップルのアプリストアでのダウンロード数が競合のチャットGPTを抜いた。

このためハイテク株の多いナスダック総合は27日に3.1%下落した。

アネックス・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は「過去2年間市場をけん引してきたAIのナラティブ(物語)全体を破壊する可能性がある。半導体の需要が減り、AIモデルに燃料を供給するための大量の電力生産の必要性が減り、大規模なデータセンターの必要性が減るかもしれない」と語った。

<「スプートニクの瞬間」>

リスクからの逃避で投資家は安全資産とされる国債や通貨を求めた。米10年物国債利回りは4.53%まで低下し、日本円とスイスフランがドルに対して上昇した。

ドイツ銀行のアナリスト、エイドリアン・コックス氏は27日付のリサーチノートで「(ディープシークは)これまでAI競争に拍車をかけてきた『大きければ大きいほど良い』というアプローチに疑念の種をまいている」と指摘。「より安価なAIはより多くのAIを意味し、あらゆるデバイスで無数の形態で手に入れられるようになるにつれて、実生活での利用が爆発的に増える可能性がある」と述べた。

シリコンバレーのベンチャーキャピタリスト、マーク・アンドリーセン氏は26日のX投稿で、ディープシークの「R1」モデルはAIの「スプートニクの瞬間」だと指摘。1950年代後半に宇宙競争の開始を告げた旧ソ連の人工衛星打ち上げになぞらえた。

別の投稿では「ディープシークR1は、私がこれまで見た中で最も素晴らしく印象的なブレークスルーの一つであり、オープンソースとして世界への大きな贈り物だ」と述べた。

<「押し目買いの好機」>

一方、エヌビディア株を約100万株保有するシノバス・トラスト・カンパニーのシニアポートフォリオマネジャー、ダニエル・モーガン氏は、27日の売りは過剰反応だと指摘する。

同氏によると、ディープシークのAIモデルはデータセンターではなく携帯電話やパソコンで使用するものであるため、チャットGPT、メタ・プラットフォームズ、アルファベットのジェミニと競合する。

AIで本当にもうかるのはエヌビディア、アドバンスト・マイクロ ・デバイセズ(AMD)、ブロードコムなどが提供するデータセンター向けチップとした上で、「全体として、きょうのAIハイテク株の売りは質の高いハイテク株を押し目買いする好機と考える」と話した。

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