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日銀審議委員に小枝・早大教授、安達委員の後任 政府提示

ロイター / 2025年1月28日 14時12分

 1月28日、政府は、日銀審議委員に早稲田大学教授の小枝淳子氏を充てる国会同意人事案を提示した。写真は都内にある日銀。昨年3月撮影(2025 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Takaya Yamaguchi Yoshifumi Takemoto Kentaro Sugiyama

[東京 28日 ロイター] - 政府は28日、日銀の新たな審議委員に早稲田大学政治経済学術院教授の小枝淳子氏を充てる国会同意人事案を提示した。3月25日に任期を終える安達誠司審議委員の後任となる。衆参両院で可決、承認されれば正副総裁を含む政策委員9人のうち、2人が女性委員となる。

小枝氏は東京大学経済学部卒業後、国際通貨基金(IMF)エコノミストや財務省財務政策総合研究所総括主任研究官などを歴任。2022年4月から現職に就いた。

マクロ経済学や金融、国際金融が専門で、日銀が23年12月に行った「金融政策の多角的レビュー」に関する研究会にも登壇した経歴を持つ。

研究会では、金融政策の緩和度合いをみる上での基準となる自然利子率、国債買入れの直接的な効果をみることができるタームプレミアム、イールドカーブ全体の情報を包括的に捉えることができる潜在金利は「それぞれ非伝統的金融政策の異なる側面を捉えており、いずれも有用な指標」としていた。

経済・物価見通しや中立金利への距離を巡り、どのような見解を示すかが今後、焦点となる。

市場では「オーソドックスな経済学者で金融政策を活発に研究している。政策委員会のリフレ派的なところがより消えることになるだろう」(科学技術振興機構の鵜飼博史チーフ・エコノミスト)との見方が出ている。

日銀と近い学者との指摘もあり、「日銀側、植田(和男)総裁の意向も反映されているのではないか。採決に影響を与えるというより、議論の質を高める委員ということではないか」(野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミスト)との受け止めも目立つ。

政府は、衆参両院の本会議で人事案の可決、承認を目指す構え。同意が得られれば1998年の新日銀法下で初めて複数の女性委員が誕生する。

政府関係者によると、6月30日に任期満了を迎える中村豊明審議委員の後任人事も近く、提示する。安達委員は安倍晋三政権下の20年3月に審議委員に就任していた。

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