1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

インタビュー:次の利上げは6―7月か、政治情勢不透明なら4月に前倒しも=桜井元日銀委員

ロイター / 2025年1月28日 15時9分

 1月28日、桜井真・元日銀審議委員(写真)は、ロイターのインタビューに応じ、経済・物価が日銀の想定通りに進んでいることを前提に、次の利上げは6―7月がメインシナリオだと述べた。2016年4月、都内の日銀で撮影(2025年 ロイター/Yuya Shino)

Takahiko Wada Leika Kihara

[東京 28日 ロイター] - 桜井真・元日銀審議委員は28日、ロイターのインタビューに応じ、経済・物価が日銀の想定通りに進んでいることを前提に、次の利上げは6―7月がメインシナリオだと述べた。日銀は政治情勢やマーケット動向を見ながら、利上げを「実施できるときに実施する」スタンスだと指摘。仮に参院選を前に石破茂首相の政権運営が不安定化すれば、追加利上げを4月に前倒しする可能性もあると述べた。

桜井氏は、昨年12月に日銀が利上げを見送ったのは国内政治の不透明感が理由だったのではないかと述べた。一方、1月の利上げに関しては、トランプ米政権の政策運営に伴う不確実性は今後も続く可能性が高く、どこで利上げしてもリスクが変わらないのであれば早めに利上げしようと判断したのではないかと話した。

桜井氏は今後の利上げパスについて、不透明感が高まるような事態が起きなければ、2026年度にかけて年2回程度のペースで利上げが行われるとの見通しを示した。植田和男総裁の任期は28年4月までで、約3年残り任期がある。桜井氏は、25年度と26年度に2回ずつ利上げを実施し、政策金利を1.5%まで引き上げていくとの見通しを示した。その上で、27年度の1年間に政策金利を2%にするのかは「情勢次第」と話した。政策金利を1.5%まで持っていくことができれば、「もし景気が悪くなったときに下げられる」と述べ、利下げ余地が確保できるとの見方を示した。政策金利が1%では「何かあったときに下げる余地が限られてしまう」とも話した。

中立金利について「執行部は1.5%―2.0%と考えているのではないか」とも述べた。ただ、少数与党で長期政権が望みにくい状況下、日銀と政府のコミュニケーションは大変になるとの見方を示した。

日銀が目指す物価と賃金の好循環について、桜井氏は賃上げについては「大企業の方は心配ない」と述べる一方、「相変わらず消費が弱い」と指摘、中小企業の賃上げ動向が焦点だと述べた。もっとも、経済はマイナス成長が続いているわけではなく、1%程度の成長が続くのであれば日銀は利上げを継続するとした。

日銀が24日に公表した展望リポートでは、25年度の実質国内総生産(GDP)の見通しは前年度比プラス1.1%、26年度がプラス1.0%。日銀は4月の決定会合で改めて展望リポートを議論するが、物価上昇率2%・実質GDP成長率1%との日銀の見通しが予想通り進捗しているかが焦点になると述べた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください