ドイツ、最上位格付け維持には構造問題への対処必要=スコープ
ロイター / 2025年1月28日 15時42分
1月28日、欧州格付け会社スコープ・レーティングスの幹部は、ドイツが長期的にトリプルA(AAA)格付けを維持するためには構造的な弱点を克服する必要があると指摘した。写真は、ドイツ・フランクフルトの夕暮れ時の金融街。2024年2月撮影(2025年 ロイター/Kai Pfaffenbach)
Rene Wagner
[ベルリン 28日 ロイター] - 欧州格付け会社スコープ・レーティングスの幹部は、ドイツが長期的にトリプルA(AAA)格付けを維持するためには構造的な弱点を克服する必要があると指摘した。
エクゼクティブディレクターのエイコ・ジーベルト氏はロイターとのインタビューで「経済停滞が2025年も続いたとしても、国内総生産(GDP)成長率の鈍化だけで直ちにドイツのAAA格付けが危うくなるわけではない」と述べた。その上で「しかし成長鈍化の原因に対処できない場合、格付けへの圧力は高まるだろう」と指摘した。
ドイツ経済は、世界的な需要の低迷と中国などとの競争による輸出低迷で、24年は2年連続のマイナス成長を記録した。
ジーベルト氏は、構造的な弱点として「ドイツの生産力や輸出力を弱める」エネルギー価格高、インフラ・教育・デジタル化への投資の不足、国際競争力を低下させる不十分な労働市場改革などを挙げた。
GDP比で63%という債務比率の低さは、他の欧州主要国と比較して信用力が高いことを示すが、格付けは他の要素も考慮されるため、それだけでAAA格付けの維持が保証されるわけではないとした。スコープがAAAに格付けする国の債務は平均でGDP比36%で「AAAグループの中では、ドイツが最も高い」と指摘した。
財政赤字をGDPの0.35%以下に制限することを政府に求める債務ブレーキは財政政策枠組みの重要な部分を形成しているとしたが、債務ブレーキ改革は成長促進に寄与する公共投資の拡大を可能にし、プラスになると指摘。
2月23日に総選挙が行われることを踏まえ「競争力の緩やかな低下を歯止めをかけたいのなら、次期政権は投資を大幅に増やすことに重点を置くべきだ」と語った。
ムーディーズ、スタンダード・アンド・プアーズ、フィッチ・レーティングスもドイツを最上位に格付けしている。
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