中国ディープシークの低コストAI、米企業は称賛と懐疑の目
ロイター / 2025年1月28日 17時42分
1月28日、中国のスタートアップ企業、ディープシーク(深度求索)が開発した低コストの生成人工知能(AI)モデルについて、米国のAI企業の開発者は称賛の一方で、数十億ドルを投入した米国の技術を上回るものかどうか分析を進めている。28日撮影(2025年 ロイター/Florence Lo)
Kenrick Cai Anna Tong Jeffrey Dastin
[サンフランシスコ 28日] - 中国のスタートアップ企業、ディープシーク(深度求索)が開発した低コストの生成人工知能(AI)モデルについて、米国のAI企業の開発者は称賛の一方で、数十億ドルを投入した米国の技術を上回るものかどうか分析を進めている。
中国のAIモデルは米国の最先端モデルに対して以前は18カ月遅れていたが、現在はその差が6カ月に縮まったと関係者はみている。ディープシークがAIモデルを無料で提供し急速に人気を集めており、同社が十分な半導体チップを確保できなくなる恐れがあるという。
ディープシークはAIモデルの訓練にエヌビディアのチップ「H800」を使用し、コストは600万ドル以下だったとしている。アナリストは米国の大手クラウド企業は今年、AIインフラに約2500億ドルを投入すると予想している。
しかし、このコストはAIモデルの最終的な訓練に使用されたチップに関するものであり、開発全体にかかった費用ではない。ディープシークは昨年12月、AIモデルの開発に関連する研究論文を発表したが、総開発コストなどは明らかにされていない。
2つの主要AI研究所の幹部は、訓練コストは総開発コストのごく一部で、訓練を実行する方法を設計するためのコストは、大規模なものになる可能性があると話した。
論文によると、AIモデルの訓練には、米国の輸出規制を順守するために設計されたH800チップ2048個を使って行われた。
AI研究所の幹部は、開発の初期段階はもっと大量のチップが必要だったとの見方を示した。一人は、このような投資には10億ドル以上の費用がかかると述べた。
米AI業界からは、ディープシークがオープンソースとしてAIモデルを発表したことに称賛の声が上がっている。
ベンチャーキャピタリストのマーク・アンドリーセン氏は26日、「(ディープシークのAIモデルは)これまで見た中で最も素晴らしく印象的なブレークスルーの一つであり、オープンソースとして提供されており、世界への重要な贈り物だ」とXに投稿した。
オープンソースとして公開されているディープシークのAIモデルは、オープンAIの「Chat(チャット)GPT」のような高額で、厳しく管理されているの技術の代わりになる可能性があると業界関係者は指摘する。
ソフトウェア・メーカーのスノーフレークは27日、顧客からの問い合わせが殺到したため、ディープシークのモデルを自社のプラットフォームに追加することを決定した。
スノーフレークの製品担当エグゼクティブ・バイス・プレジデント、クリスチャン・クレイナーマン氏によると、同社の従業員もディープシークのモデルを「素晴らしい」と評価しているという。
同氏は最終的に顧客に提供することを決定する前に、中国で開発されたAI技術を提供することの潜在的なリスクを検討したと明らかにした。その上で、「顧客に対して明確に説明している限り問題はないと判断した」と語った。
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