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アングル:レポ金利が異例の急低下、日銀利上げ後に 国債市場でも思惑呼ぶ

ロイター / 2025年1月28日 18時58分

 1月28日、日銀の利上げにもかかわらず、短期金融市場では逆に現金担保付き債券貸借(レポ)金利が低下するという異例の状況になっている。2011年撮影(2025年 ロイター/Yuriko Nakao)

Tomo Uetake

[東京 28日 ロイター] - 日銀の利上げにもかかわらず、短期金融市場では逆に現金担保付き債券貸借(レポ)金利が低下するという異例の状況になっている。一部の市場関係者が資金調達を手控えていることが影響しているとの観測が出ている。国債市場での中短期金利の低下圧力にもつながる可能性があるため、関心を集めている。

日本証券業協会がまとめた東京レポ・レートによると、翌営業日に始まる翌日物(トムネ)金利は28日、前日比0.167ポイント低下の0.073%と、昨年8月以来の低水準をつけた。27日も低下しており、日銀が利上げを決定した24日以降、2日連続で低下したことになる。

レポ市場に参加する大手生保の運用担当者は「利上げが決定されたにもかかわらず、レートがこれほど低下するのは異例で驚いている」と話す。「資金調達サイドの大手参加者の一部が(利上げのあった)24日午後から取引を控えているようだ」とも明かす。

日銀の金融市場局は24日夕方、「レポ市場における国債需給の過度な引き締まりを抑制し、レポ市場の安定を確保する」との目的で、国債補完供給で売却対象先ごとの応募銘柄数の上限を一時的に緩和する措置を発表した。

同措置は1月27─31日の1週間の時限措置だが、ある短期市場関係者は「日銀も市場参加者にヒアリングした上で決めているはず。オファーを控えた参加者は、金額が大きいため簡単に1日、2日で復帰とはいかないが、数日かけて戻ってくるとみられる」と指摘。「足もとの需給ひっ迫についても、方向性としては改善に向かいそうだ」との見方を示した。

国債市場への影響についても思惑が出ている。野村証券の宍戸知暁シニア金利ストラテジストは「実際はレポ・レートの低下が1日、2日続いても利付債市場には特段影響しないが、仮に長引くようだと1年、2年と短いゾーンを中心に波及が考えられる」と述べた。「早期収束が基本線だと思っているが、レポレートが下がると国債金利も下がりやすいとの思惑はやはりある」とした。

(植竹知子 編集:橋本浩)

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