ＨＳＢＣ、欧米の投資銀行事業を大幅縮小 アジアへのシフト加速

英金融グループＨＳＢＣは、投資銀行事業再編の一環として、欧州、英国、米州でＭ＆Ａ（合併・買収）と株式資本市場業務（ＥＣＭ）の段階的縮小を準備している。ロンドンで２０１６年撮影。（２０２５　ロイター/Reinhard Krause/File Photo）

［ロンドン　２８日　ロイター］ - 英金融グループＨＳＢＣは、投資銀行事業再編の一環として、欧州、英国、米州でＭ＆Ａ（合併・買収）と株式資本市場業務（ＥＣＭ）の段階的縮小を準備している。２８日の行員宛てメモで明らかになった。

過去数十年で最大規模となる投資銀行事業の縮小を進め、アジアへのシフトを加速する。

ＨＳＢＣ銀行のマイケル・ロバーツ最高経営責任者（ＣＥＯ）はメモで「アジアと中東ではＭ＆Ａと株式資本市場に重点を置き、欧州、英国、米大陸ではこれらの業務を縮小する予定だ」と述べた。

「われわれの意図は、より競争力があり、拡張性のある、ファイナンス主導のモデルに移行することだ」としている。

債券資本市場業務（ＤＣＭ）とレバレッジ買収ファイナンス業務はグローバルに継続する。

削減するポストの数や予想されるコスト節減効果は不明。他の部門に再配置される人員の数も不明。

ＨＳＢＣホールディングスのジョルジュ・エレデリーＣＥＯは昨年９月の就任以来、大々的な経費削減に取り組んでいる。

ショアキャピタルのアナリスト、ゲーリー・グリーンウッドはロイターに、ＨＳＢＣは英国でＥＣＭへの参入と撤退を繰り返してきたと指摘し、「結局、このビジネスはコストがかかり、ビジネスを獲得して手数料を稼げなければ、簡単に損失が出る」と述べた。

ＲＢＣキャピタル・マーケッツのアナリスト、ベン・トムズ氏は「銀行は中長期的な視点で経営されている」とし「地理的に見ると、この動きは西から東への継続的なシフトを反映している。東は成長ペースと収益性が西より高い」と指摘した。

ＨＳＢＣの株価は１００４ＧＭＴ（日本時間午後７時０４分）現在、０．７％下落している。