トランプ政権がNLRB民主党系幹部を解任、労働争議処理停滞も
ロイター / 2025年1月29日 7時57分
1月28日、トランプ米政権は、不当労働行為の救済や労働者組織化の認証などに従事する独立行政機関、全米労働関係委員会(NLRB)の民主党系幹部2人を解任した。写真はNLRBの紋章。ワシントンで2021年5月撮影(2025年 ロイター/Andrew Kelly)
[28日 ロイター] - トランプ米政権は、不当労働行為の救済や労働者組織化の認証などに従事する独立行政機関、全米労働関係委員会(NLRB)の民主党系幹部2人を解任した。これによりNLRBの機能が停止し、さまざまな労働争議の処理が進まなくなる恐れが出てきた。
解任されたのは不当労働行為の判定に当たる委員会メンバーだったグウィン・ウィルコックス氏と、不当労働行為を訴追する事務総長のジェニファー・アブルッツォ氏。いずれもバイデン前大統領によって任命された。
本来5人の委員会は既に2人が空席で、ウィルコックス氏が去ると意思決定機関として機能する上での定足数を満たせなくなる。委員会は現在、アマゾン・ドット・コムやテスラ、ウォルマート、アップルが関係する係争や、スターバックスを巡る複数の係争を抱えている。
アブルッツォ氏の解任は予想されていたものの、2028年8月まで任期があったウィルコックス氏解任については前例がなく、連邦労働法に違反する可能性もある。
黒人女性として初めてNLRBの委員になったウィルコックス氏は声明で「あらゆる法的手段」を駆使して解雇処分に異議を申し立てると表明した。
NLRBの委員は「任務放棄ないし職場での不正」以外の理由で解任できないことが連邦法で定められている。ただアマゾンや実業家イーロン・マスク氏が率いるスペースXなどの企業は昨年以降、こうした委員の保護規定に不服を申し立て、大統領が意のままにNLRBのメンバーを解任できるようにするべきだと主張している。
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