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米FRB、金利据え置き・量的緩和維持 コロナの中期リスク警戒

ロイター / 2020年4月30日 5時46分

米連邦準備理事会(FRB)は28─29日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド金利の誘導目標を0─0.25%に据え置くことを全会一致で決定した。ワシントンのFRB本部で昨年3月撮影(2020年 ロイター/Leah Millis)

[ワシントン 29日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は28─29日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、金利据え置きと量的緩和の維持を決定した。また、新型コロナウイルスの感染拡大で短期的な経済成長が阻害されるだけでなく、中期的にも「著しいリスク」がもたらされるとの認識を示し、この難局を乗り切るために「あらゆる手段を行使する」と改めて表明した。

FRBはフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0─0.25%に据え置くことを全会一致で決定。FOMC声明で「この厳しい局面で米経済を支援するためにあらゆる手段を行使し、雇用最大化と物価安定という目標を促進することに全力で取り組む」と表明した。

今回のFOMCは感染拡大防止に向け、テレビ会議方式で実施された。

パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、米国の家計と企業が新型ウイルス感染拡大による公衆衛生上の金緊急事態を乗り越えられるよう「FRBは可能な限りのことを実施している」と表明。新型ウイルスの感染拡大でもう1年、経済成長が阻害される恐れがあるとの認識を示し、「来たるべき回復が可能な限り力強いものになるよう、FRBは政策措置を利用し続ける」と述べた。

その上で、金融政策は現時点では適切に調整されているとしながらも、将来的にそれが変化する可能性があると指摘。「回復を力強いものにするために、より多くの支援が必要になる可能性もある」と述べた。

商務省がこの日に発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値(季節調整済み)は年率換算で前期比4.8%減と、2008年第4・四半期以来の大幅な落ち込みとなった。

パウエル議長は、第2・四半期の米経済が2桁台のマイナス成長に陥ると予想。失業も大幅に増加するとし、感染拡大抑制措置が緩和され、経済が再び動き出した後も、消費者が消費活動を再開するまでに「ある程度の時間がかかる」との認識を示した。

FRBは声明で、新型ウイルス感染拡大によるこれまでの影響について言及。「コロナウイルスの感染拡大は、米国および世界中で多大な人的および経済的苦難をもたらたしている。ウイルスと公衆衛生を守るために講じられた措置は、経済活動の急速な収縮と失業の急増を引き起こしている」とし、「需要低迷と原油価格の大幅な下落は、消費者物価の上昇を抑えている。国内外の経済活動の混乱は、金融状況に多大な影響を与え、米国の家計や企業への信用の流れを損なっている」とした。

その上で「現在進行中の公衆衛生の危機は短期的に経済活動、雇用、インフレの大きな重しとなり、中期的な経済見通しに著しいリスクをもたらす」とした。

政策金利の今後の道筋については、FF金利の誘導目標は「経済が最近の出来事を乗り切り、雇用最大化と物価安定の目標を達成する軌道に乗ったと確信するまで」0─0.25%に維持されると見込んでいるとし、3月15日に緊急利下げを決定した際の声明の文言を踏襲した。

FRBはこのほか、市場の安定化に必要なだけ財務省証券と住宅ローン担保証券(MBS)などの買い入れを継続すると表明。大規模な翌日物・ターム物レポオペの実施も継続するとした。

パウエル議長は、FRBは持ち合わせている政策ツールを「力強く、積極的に」利用していくと表明した。

新型ウイルスの感染拡大を受け、FRBはこれまでに緊急利下げを実施したほか、無制限の量的緩和(QE)を行う方針を決定するなどして対応。今回のFOMCはFRBがこうした対策を打ち出してから初めてのものとなった。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、ガイ・レバス氏は、今回のFOMCでFRBが中期的な下方リスクに対する懸念を示したことは、向こう数年間は極めて緩和的な政策が維持される可能性があることを示唆しているため、注目に値すると指摘。「FRBがあらゆる手段を行使すると声高に表明すれば、それだけでかなりの支援となる」と述べた。

*内容を追加しました。

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