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展望2021:1―3月期は相当厳しい、安心の積み重ねが必要=サントリーHD社長

ロイター / 2020年12月29日 15時52分

サントリーホールディングスの新浪剛史社長(写真)は、再び新型コロナウイルスの感染が広がる中、GoToキャンペーンが一時停止されるなどしており、来年1―3月期の経済状況は「相当に厳しい」との見方を示した。都内のサントリー本社で2015年10月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 29日 ロイター] - サントリーホールディングスの新浪剛史社長は、再び新型コロナウイルスの感染が広がる中、GoToキャンペーンが一時停止されるなどしており、来年1―3月期の経済状況は「相当に厳しい」との見方を示した。4―6月期以降、さらには東京五輪につなげるためにも、この間はPCR検査の拡充や民間検査への支援、ワクチン承認の見通しなど、安心を積み重ねる施策が必要だと指摘した。

<オリンピックに向けたロードマップが必要>

飲食店を取り巻く現在の状況について、新浪社長は「6月よりも厳しいと認識している」と述べた。政府の消費喚起策GoToキャンペーンで息を吹き返していたものの、全国一律に停止となったことから、今年12月から来年2月までに「2―3割は廃業する可能性がある。今後継続的にやっていけると自信を持っている店舗はそれほど多くないと思う」と指摘した。

こうした厳しい状況を乗り切るには、来年1月に開会する通常国会で早期に第3次補正予算を通過させ、必要なところに支援が届くように支出を行っていくことが重要との見方を示した。

具体的には、日本でのワクチンの承認・接種開始やPCR検査の拡充などを挙げた。PCR検査については「もっと、心配な人たちが安価に何度も検査できる仕組みが必要」とし、「民間で始まった検査に大変な需要がある。国としてもバックアップして、早期発見につなげることで経済活動を行っていく。そうした対策を早く打っていかなければならない」と述べた。

来年夏には、東京オリンピック・パラリンピックの開催が予定されている。新浪社長はワクチンの接種開始やコロナ終息のための施策を行うことによってオリンピックが開催できれば「明るい機運を持ってくるという意味では、日本のみならず、世界にとっても重要なイベントになる」との見方を示した。

その上で「1─3月は相当厳しいと思う。そこで国民がなえないこと。まだ使っていない予備費をPCR検査拡充に活用するなど、安心材料を積み重ねるために支出することだと思う。(オリンピックに向けた)ロードマップをしっかり作ることが必要」と指摘した。

<新型コロナ、日本企業の海外進出に影響なし>

新型コロナ感染拡大によって、サプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)さも顕在化した。日本の人口が減る中で成長を求めるため、さらにはサプライチェーン見直しのために海外でのM&Aに動く企業もあるとし「パンデミックや地政学的リスクによって海外M&Aを抑制することはない」との見方を示した。

サントリーは、成長市場としてインド、東南アジア、中国などでの取り組みを進めているが、現在、大型の買収を行う必要性は感じていないという。

一方、米国でバイデン政権が誕生するにあたっては、米国と欧州との間の関税の行方に注目していると語った。

*インタビューは17日に実施しました。

*ロイター編集部では、2021年の経済、市場、業界などを展望するインタビュー記事を「展望2021」として配信します。 内外経済や国際情勢、金融市場や各業界の見通しなどについて随時配信していきます。

(清水律子 安藤律子 編集:田中志保)

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