ＵＡＷ、フォード・ＧＭのスト拡大へ ステランティスは交渉進展

全米自動車労働組合（ＵＡＷ）は２９日、ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）とフォードの各工場で追加ストライキを実施する。２２日撮影（２０２３年　ロイター/Dieu-Nalio Chery）

David Shepardson　Joseph White

[デトロイト ２９日 ロイター] - 全米自動車労働組合（ＵＡＷ）は２９日、ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）とフォードの各工場で追加ストライキを実施することを決めた。クライスラーの親会社ステランティスでは、土壇場で交渉に進展があったためスト拡大はない見通し。ＵＡＷのショーン・フェイン委員長が発表した。

史上初の３社３工場での一斉ストは３週目に突入している。ストはフォードのシカゴ組み立て工場とＧＭのミシガン組み立て工場に拡大される。両工場はこの日正午からストに入った。対象労働者は約７０００人という。

これにより、ピケ参加者の総数は２万５０００人となる。これは自動車メーカー３社の組合員数１４万６０００人の約１７％に当たる。

フェイン委員長はこの日のビデオ演説で「フォードとＧＭは、われわれが交渉に応じる意思があるにもかかわらず、意味のある前進を拒否している」と批判した。

フォードのジム・ファーリー最高経営責任者（ＣＥＯ）は、ＵＡＷ指導部が、まだ生産を開始していない電気自動車（ＥＶ）用バッテリー工場の待遇を巡る交渉のために、新たな労働協約を阻止し、複数の工場での生産を停止させていると非難した。

一方、ＵＡＷのフェイン委員長は「なぜファーリーＣＥＯが交渉状況を巡りうそをついているのか分からない。過去１０週間と同様、今週も交渉に現れなかったからかもしれない」と応じた。

ＧＭは従業員に宛てたメールで、９月２１日の提案に対する包括的な対案をまだ受け取っていないと述べた。「これ以上のストはニュースの見出しになるためであり、真の進展ではない」と述べた。

追加ストを免れたステランティスは「話し合いは進展したが、相違点は残っている。われわれは、これらの問題を迅速に解決し続けることを約束する」と述べた。