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アングル:11月FOMC前に重要データと大統領選、利下げ方針変わらずか

ロイター / 2024年10月29日 15時9分

 10月28日、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を決める11月6―7日の次回連邦公開市場委員会(FOMC)までには、雇用とインフレの米主要統計から大激戦の米大統領選に至るまで動向を左右するイベントが目白押しだ。写真は2022年6月、ワシントンのFRB前で撮影(2024年 ロイター/Sarah Silbiger)

Ann Saphir

[28日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を決める11月6―7日の次回連邦公開市場委員会(FOMC)までには、雇用とインフレの米主要統計から大激戦の米大統領選に至るまで動向を左右するイベントが目白押しだ。

とはいえ、これらのうち何がFRBにとって決め手になるのかは定かではない。

FRBは9月に利下げ開始を決め、政策金利を0.50%ポイント引き下げて4.75―5.00%に設定した。これは数十年ぶりの高インフレと闘った後の決定的な転換であり、夏に労働市場軟化の兆しが見えたことが判断材料となった。

しかし、その後は個人消費と雇用創出が特に力強く推移し、物価上昇圧力もやや強まっている。米シティグループの米経済サプライズ指数は6カ月ぶりの高水準にある。

ただ、9月の利下げ決定後に公の場で発言したFRB高官のほぼ全員が金融緩和の決断に二の足を踏むどころか、失業率が4.1%に達し、インフレ率が目標の2%に以前よりもはるかに近づいていることに満足していると表明している。

サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は先週に「今のところ利下げを継続するべきではないことを示唆するような情報は見当たらない」と表明。インフレ率が鈍化している中で金融政策は「非常に引き締まっている」と指摘した上で「労働市場がさらに減速するのを見たくない」と語った。

デイリー氏は次回FOMCで利下げを一時停止する可能性を示唆した出席者の1人だったが、利下げを見送るべきだと明確に主張しているメンバーはいない。

<利下げ余地>

前回FOMC後、政策の見通しについてコメントしたFOMC出席者の全員が追加利下げに前向きな姿勢を示している。

前回会合後に発表されたFOMC出席者の最新経済見通し(SEP)によると、いずれのメンバーも政策金利が長期的な「中立」水準に達するには少なくとも1%ポイントの利下げが必要だと想定し、過半数のメンバーが少なくとも2%ポイント利下げする余地があると考えている。

FRBのウォラー理事は今月に「今後1、2回の会合での利下げ幅に注目が集まっているが、SEPのより大きなメッセージは政策的な制約を取り除ける余地がかなりあるということだと考えており、経済が現在の最適な状況で推移すれば徐々に利下げすることになるだろう」と指摘した。

FRBが重視する個人消費支出(PCE)物価指数が今週発表される。9月は前年同月比上昇率が2.1%に鈍化する一方、基調的な物価上昇圧力は依然強いことを示すと予想されている。

また2024年第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値も発表され、年率換算で前期比3%増の力強い伸びを示す見込み。FRBのパウエル議長が最も気に入っている労働市場指標であり、緩やかな冷え込みを見せている求職者1人に対する求人件数の最新推定値も発表される。

10月の雇用統計は減速すると予想されている。一方、最近襲ったハリケーンや米大手航空機メーカー、ボーイングで続いているストライキの影響は雇用者数を最大で10万人押し下げ、失業率を悪化させる可能性があるため、基調を解析するのは難しいかもしれない。

ジェフリーズのシニアエコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は投資家向けノートで「FRB当局者は、今後数カ月はさまざまな一時的要因でデータが混乱すると指摘している」とした上で「FRBが年内に開く2回のFOMCで利下げを見送る理由は見当たらない」と言及した。

サイモンズ氏と同様に、アナリストの大部分は11月のFOMCで0.25%ポイントの利下げを決めるとの予想を堅持。金融市場も同じ予想を織り込んでいる。 

<大統領選の影響>

11月5日は大統領選があり、マッコーリーのストラテジスト、ティエリー・ウィズマン氏は共和党候補のトランプ前大統領が民主党候補のハリス副大統領を下した場合、FRBが利下げを一時停止する可能性があると指摘する。それは政治的理由のためではなく、トランプ氏が掲げる政策の輸入品に対する関税の引き上げと不法移民の取り締まり、減税によって金融市場のインフレ期待が急上昇すると予測しているからだ。

もしもトランプ氏が大統領選で勝利した場合、FRBは利下げを断念するのだろうか。全体のインフレ期待がつなぎ留められていることを含め、そうはならないとの理由が多くある中で、SGHマクロアドバイザーズの米国担当チーフエコノミスト、ティム・デュイ氏は投資家向けのメモで、11月のFOMCの議論で12月に利下げを一時停止する地ならしをする可能性があると指摘した。特にインフレ率の拡大と労働市場の好調が続いた場合にはその可能性が高まるという。

9月に発表されたSEPによると、FOMCメンバーの半数弱がこのような動きを支持した可能性がある。

しかし、今のところは特別なことがない限り、FRBは一段の利下げに向かっているように見える。

ノートでデュイ氏は「FRBは11月に利下げする方向で、政策をより中立的なスタンスに調整するために12月も利下げをすると考えている」とも記した。

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