超長期中心に円債増加、平準買い基本に金利上昇時はペース加速=第一生命・24年度下期運用計画
ロイター / 2024年10月29日 17時2分
第一生命保険は2024年度下期の一般勘定運用で、中長期的なリスク削減の取り組みの一環として、超長期の日本国債を中心に円建て債券の残高を増やす計画を示した。写真は2010年撮影(2024年 ロイター//Yuriko Nakao)
Tomo Uetake
[東京 29日 ロイター] - 第一生命保険は2024年度下期の一般勘定運用で、中長期的なリスク削減の取り組みの一環として、超長期の日本国債を中心に円建て債券の残高を増やす計画を示した。30年・40年国債を中心に「ある程度粛々と積み増す」として平準買いを基本とするが、超長期金利が大きく上昇する場面では購入ペースの加速も検討する。
29日に開催した資産運用計画説明会で、堀川耕平運用企画部長が明らかにした。
円債は、上期に続き金利リスク削減を目的とした責任準備金対応債券の積み増しにより、30年債と40年債を軸とした超長期国債を中心に残高を引き上げる。買い方としては「一定程度は淡々と買っていくが、30年金利が2.5%を超えていくような場合には積み増しペースを上げることも検討する」(堀川氏)という。
日銀の金融政策について堀川氏は「今年度は早ければ年内、もしくは年明けに1回、また来年の春闘をみて来年度にももう1回くらい」の追加利上げがあるとの予想を示した上で、「中立的な金利水準は難しいが、現時点では1%といった水準までは想定しておいた方がいいと思っている」と述べた。
外貨建て債券は、為替ヘッジ付き・オープンともに「既に残高は圧縮済みであり、今後は金利や為替の水準次第でタクティカル(戦術的)に動かす」として、下期の増減の方向性は明示しなかった。
国内株式は上期に続き、経済価値ベースの資本充足率の安定化に向けた株式リスクの削減を目的に売却を行うため、残高は減少を見込む。外国株式については「リスク許容度や株価水準次第」として、増減の方向性は示していない。
オルタナティブ資産は、上期に続き残高を積み増す計画。ヘッジファンドはポートフォリオ全体のリスク分散につながる戦略、プライベートエクイティに投資するほか、プライベートデット(中堅企業向け直接融資)の分野にも注力する。不動産は、上期に続き、用途分散を目的とした新規投資や入れ替えにより残高を増加させる方針。
第一生命の一般勘定の資産残高は、3月末時点で34兆6705億円。うち外貨建て資産は4兆7472億円(13.7%)。
24年度下期の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。
日本10年国債利回り 0.70―1.50%(1.20%)
日本30年国債利回り 1.70─2.70%(2.30%)
米10年国債利回り 3.00―5.00%(3.75%)
日経平均株価 3万2000―4万5000円(4万1000円)
NYダウ 3万6000─4万8000ドル(4万4000ドル)
ドル/円 130―160円(140円)
ユーロ/円 144―175円(154円)
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