豪、鉄鉱石市場で優位失う恐れ グリーン鉄が重要=フォーテスキュー
ロイター / 2024年10月29日 16時33分
10月29日、オーストラリアの資源大手フォーテスキューのディノ・オトラント最高経営責任者(CEO)は、同国が化石燃料を使わない「グリーン鉄」の生産に速やかに取り組まなければ、世界の鉄鉱石市場で支配的な地位を失う恐れがあるとの認識を示した。写真は2018年11月、豪ポートヘッドランドの採掘地域チチェスター・ハブで撮影(2024年 ロイター/Melanie Burton)
Melanie Burton
[29日 ロイター] - オーストラリアの資源大手フォーテスキューのディノ・オトラント最高経営責任者(CEO)は29日、同国が化石燃料を使わない「グリーン鉄」の生産に速やかに取り組まなければ、世界の鉄鉱石市場で支配的な地位を失う恐れがあるとの認識を示した。
オーストラリアは海上輸送の鉄鉱石市場で世界最大の供給国。世界の供給の約半分を占めている。ただ、同国西部ピルバラ地区で採掘される鉄鉱石は低品位で、石炭を使わずに鉄鋼を生産できないとの指摘が多い。
オトラント氏は、鉄鋼メーカーが脱炭素化を進めるにつれ、他国から鉄鉱石を調達し、オーストラリアの鉄鉱石輸出に悪影響が及びかねないと指摘。
シドニーで開催されたIMARC会議で「チャンスを逃すなということだ。オーストラリアには太陽光と風力が豊富にある。次の論理的なステップは下流産業に参入することだ」と述べた。
中東ではグリーン鉄プロジェクトの競争が拡大。ギニアでは巨大なシマンドゥ鉄鉱石鉱山が来年稼働を開始する予定。
オトラント氏は同鉱山について「高品位の鉱床で、中国の鉄鋼メーカーに直接輸出される。現実から目を背けてはならない」と述べた。
同社は西オーストラリア州クリスマス・クリーク事業で太陽光発電を利用してグリーン水素を生産し、来年から水素を使ったグリーン鉄を年間2000トン生産する計画だ。
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