景気判断据え置き、生産は「横ばい」に下方修正=10月月例経済報告
ロイター / 2024年10月29日 18時25分
10月29日、政府は10月の月例経済報告で、景気の総括判断を9月から据え置き、「一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している」とした。都内で2023年11月撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)
Kentaro Sugiyama
[東京 29日 ロイター] - 政府は29日に公表した10月の月例経済報告で、景気の総括判断を9月から据え置き、「一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している」とした。項目別では「生産」の判断を引き下げ、「持ち直しの動きがみられる」から「このところ横ばいとなっている」に見直した。
総括判断は8月に上方修正した表現を維持した。企業収益が総じて改善しているほか、設備投資意欲が引き続きおう盛と判断。個人消費は一部足踏みがみられるとしつつ、高水準で着地した春闘での賃上げ、堅調な夏のボーナスなどが支えになっているとした。
「生産」の下方修正は8カ月ぶり。鉱工業生産指数で8月単月、3カ月移動平均いずれもマイナスとなったことなどを踏まえた。2024年前半の半導体製造装置の増勢が一服し、鈍化している。
今回は10月に発足した石破茂政権下で初の月例経済報告。足元の物価高対策や新たに掲げた「地方創生」の関連施策、中堅・中小企業の賃上げ環境整備、災害対応などを盛り込んだ総合経済対策を早急に策定するとした。また、「経済あっての財政」との表現を盛り込み、「賃上げと投資がけん引する成長型経済」を実現していくとした。
先行きは、海外景気の下振れが日本景気を下押しするリスクを引き続き指摘した。米国の景気は拡大が続くことが期待されるものの、高金利の継続にともなう下振れリスクに留意する必要があるとした。
※〔表〕月例経済報告の景気判断の推移
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