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フィッチ、イタリアをBBBマイナスに格下げ ジャンクの一歩手前

ロイター / 2020年4月29日 9時26分

格付け会社フィッチ・レーティングスは28日、イタリアの信用格付けを「BBBマイナス」に引き下げた。ローマで4日撮影(2020年 ロイター/ALBERTO LINGRIA)

[ローマ 28日 ロイター] - 格付け会社フィッチ・レーティングスは28日、イタリアの信用格付けを「BBBマイナス」に引き下げた。格付け見通しは「ネガティブ」から「安定的」に変更した。

フィッチは、イタリア経済が新型コロナウイルスの感染拡大で著しく大きな影響を受けると予想されることから格付けを引き下げたと指摘。格付け見通しを「安定的」としたことについては、欧州中央銀行(ECB)による資産買い入れ策がイタリアの新型ウイルス対策の支援になるとみられるためと説明した。

「BBBマイナス」はジャンク(投機的)等級の1段階上の水準となる。フィッチは7月までイタリアの格付け見直しを予定していなかった。新型コロナ感染による死者が世界で2番目に多く、深刻なリセッション(景気後退)に陥る見通しのイタリアにとって、格下げはさらなる打撃となる。

フィッチは、イタリアが格付けに関する決定を不服として「追加情報を提供」したことを受け、「当初の格付け委員会の決定とは異なる格付け判断に至った」と説明した。

フィッチによる格下げを受け、ユーロは対ドルで小幅に下落した。

フィッチは、イタリアで最初の新型コロナ感染者が確認される2週間前の2月7日、同国のソブリン格付けを「BBB」、格付け見通しを「ネガティブ」で据え置いていた。

同社はイタリアの成長率が今年マイナス8%になると予想。同国政府が先週示した見通しと一致する水準となった。

フィッチは今年の公的債務については、対国内総生産(GDP)比率で前年の134.8%から156%に拡大するとの見通しを示した。こちらも、同国政府の目標である155.7%とおおむね一致した。イタリアの債務比率はユーロ圏でギリシャに次いで2番目に高い。

フィッチは「債務に関する基本シナリオでは、GDP比率は中期的にこうした高水準で安定推移する見通しで、債務の持続可能性を巡るリスクを浮き彫りにしている」と指摘した。

また、イタリアの財政赤字の対GDP比率は今年10%になると予想した。昨年は同1.6%と12年ぶりの低水準だった。

イタリア政府は今年の財政赤字について対GDP10.4%を見込んでいる。

フィッチによる格下げについてイタリアのグアルティエリ経済・財務相は、ECB、および欧州連合(EU)のこれまでの重要な決定事項を適切に織り込んでいないと指摘。イタリアの経済ファンダメンタルズ(基礎的条件)は堅実だとし、政府は経済改革を実施するほか、債務水準を引き下げる必要性を十分に理解していると述べた。

*内容を追加しました。

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