モルガンSやJPモルガンなど増配へ、ストレステスト結果受け
ロイター / 2021年6月29日 10時52分
[28日 ロイター] - 米銀大手のモルガン・スタンレー、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ(BofA)、ゴールドマン・サックス、ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)は28日、配当金を引き上げると発表した。米連邦準備理事会(FRB)が先週公表した大手金融機関のストレステスト(健全性審査)の結果で、十分な資本を保有していると判断されたことが背景。
モルガン・スタンレーは第3・四半期に配当金を現行の1株当たり0.35ドルから0.70ドルに倍増すると発表。一部のアナリストの予想(約0.50ドル)を上回った。
同行はまた、自社株買いに向けた支出を拡大する方針も表明。株価は引け後の時間外取引で最大3.7%上昇した。
同行のジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)は、これほど多くの資本を還元できるのは数年にわたって蓄積した余剰資金があるからだと説明。今回の措置は「変革された当行のビジネスモデルに必要な資本基盤を再構築するという決定を反映している」と述べた。
BofAは第3・四半期から配当金を17%引き上げ、1株当たり0.21ドルとする。JPモルガンは第3・四半期の配当金を現行の0.90ドルから1ドルに引き上げる。
ゴールドマンは1.25ドルから2ドルへの増配を計画している。
FRBがバランスシートに上限を設けていることなどから他行よりも迅速に資本を増強してきたWファーゴは、9月から4四半期にわたって180億ドルの自社株買いを実施する計画を明らかにした。
自社株買いの規模は時価総額の約10%に相当し、アナリストの予想とも一致した。
四半期配当もアナリストの予想通り、1株当たり0.20ドルと2倍に引き上げる。
Wファーゴは過去数年、一連の不正営業問題の解決に努めてきた。同行のチャーリー・シャーフCEOは「過去の問題を継続的に解決しつつ、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)以降、当行は財務力を強化してきた」とし、「多額の資本を株主に還元しながら、今後もそうしていく」と語った。
<シティグループ>
シティグループはストレステストの結果、将来の経済ショックに備えて銀行に保有を義務付ける「ストレス資本バッファー(SCB)」が2.5%から3.0%に上昇するとし、アナリストの予想を確認した。
JPモルガンのアナリスト、ビベック・ジューンジャ氏のリポートによると、これによりシティの自社株買い規模は他行に比べて抑制されるとみられる。同氏は、自身がカバーしている大手行の中でシティの資本還元率が最も低くなると予想している。
シティのジェーン・フレーザーCEOは「少なくとも1株当たり0.51ドルの普通配当」と自社株買いを含む「資本(還元)計画」を継続すると表明した。
BofAの株価は時間外取引で横ばい。ゴールドマンは0.6%高、シティは0.9%安、JPモルガンは0.3%安。
FRBは24日、ストレステストの結果を受け、新型コロナのパンデミックに伴い導入した自社株買いと配当金支払いの制限を30日付で解除すると発表した。
アナリストや投資家はこれを受け、米銀大手が来月から最大1300億ドルの配当金支払いや自社株買いを開始すると予想していた。
ストレステストでは、最も厳しいシナリオの下、大手金融機関23社が被る損失は合計4740億ドルになると試算されたが、こうした厳しい状況下でも、大手金融機関はFRBが要請する水準の倍以上の資本金を維持できることが分かった。
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