スペインで感染鈍化続く、内相「封鎖解除中は一段の自制が必要」
ロイター / 2020年4月30日 10時12分
4月29日、スペイン政府当局者は、ロックダウン(都市封鎖)による新型コロナウイルス感染抑制の効果は出ているが、来週から段階的に封鎖を解除するには一段の自制が必要との考えを示した。写真はマドリードでもっとも古い理容店に立つオーナーたち(2020年 ロイター/Sergio Perez)
[マドリード 29日 ロイター] - スペイン政府当局者は29日、ロックダウン(都市封鎖)による新型コロナウイルス感染抑制の効果は出ているが、来週から段階的に封鎖を解除するには一段の自制が必要との考えを示した。
スペインでは3月14日から欧州で最も厳しいレベルのロックダウンが敷かれ、経済活動はほぼ停止している。
サンチェス首相は28日、ロックダウン措置を5月4日から4段階で解除し、6月末までの正常化を目指す計画を発表。解除は地域ごとによって異なるほか、各段階は2週間継続されるとした。
一方、グランデ・マルラスカ内務相は29日の会見で、「解除期間中はロックダウン下よりも自制が必要になる」と語った。
保健当局によると、29日時点で新型コロナ感染による新たな死者は325人。ガリシア地方で前日までに報告された死者数も含めると453人で、死者は合計2万4275人となった。
新たに感染が確認されたのは2144人で、感染者は合計21万2917人。これは米国に次いで世界で2番目に多い。
保健当局者は会見で、感染の抑制状況は「引き続き好ましく、予想通りに推移している」と発言。新型コロナ感染者1人がウイルスを感染させる平均人数はほぼ全土で1以下で推移しており、感染の鈍化傾向を示していると述べた。
1日当たりの死者数は4月上旬の950人から急激に減少している。
イジャ保健相は、ロックダウン解除にあたり、知人や家族を訪問する際のルールについて数日以内に公表されると述べた。
政府の正常化計画は観光業界の再開時期に具体的には触れていない。観光業はスペインの国内総生産の12%を占める。
マドリードのホテル協会は29日、国境封鎖や航空便の欠航が続き、外国人観光客が見込めないにもかかわらず、政府がホテルの営業再開を検討していることに不信感を表明した。
ある政府当局者は、国境封鎖の解除について、新型コロナ対策で先を行くアジアの状況を参考にするほか、特にシェンゲン圏に関する欧州レベルでの決定を待ちたいと語った。
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