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ECB、コロナ危機で必要ならQE拡大 ジャンク債買取議論せず

ロイター / 2020年5月1日 3時14分

欧州中央銀行(ECB)は30日に理事会を開催し、新型コロナウイルス危機への対応として、必要に応じて量的緩和(QE)を拡大する用意があると表明した。フランクフルトのECB本部で1月撮影(2020年 ロイター/Ralph Orlowski)

[フランクフルト 30日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は30日に理事会を開催し、新型コロナウイルス危機への対応として、必要に応じて量的緩和(QE)を拡大する用意があると表明した。一方、通常の資産買取対象にジャンク債(投資不適格債)を含めるかどうかについては議論しなかった。

市中銀行への長期資金供給の際に適用する金利はマイナス1%に引き下げるほか、新たにパンデミック緊急長期資金供給オペ(PELTRO)を行うとした。資産買取制度は、先に導入したパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を含め、現状を維持した。主要政策金利はリファイナンス金利を0.00%、限界貸出金利を0.25%、中銀預金金利をマイナス0.50%にそれぞれ据え置いた。

ECBは声明で「理事会は必要に応じ、そして必要とされる期間、PEPPの規模を拡大し、構成を調整する用意がある」と言明。さらに「インフレが持続的に目標に向かうことを確実にするため、必要に応じ全ての政策手段を調整する用意がある」と表明した。

ラガルド総裁は理事会後のネット会見で、新型コロナの影響は「前代未聞」であり、景気回復の速度や規模を巡って「非常に不確実だ」とした上で「責務の範囲内で必要なことは全て行う」と強調した。

欧州内の多くの地域で新型コロナの感染防止に向け外出規制が敷かれる中、ラガルド氏は、ECBスタッフ予想から今年のユーロ圏経済は5—12%のマイナス成長が見込まれると指摘。4月に経済活動が急速に減速したことを踏まえると、新型コロナによる影響は第2・四半期にさらに深刻化する見通しとした。

こうした中、通常の資産買取対象にジャンク債を含めるかについて、ラガルド総裁は議論しなかったと表明。同時にあらゆる手段を用いて柔軟に対応する用意があると強調した。

格付け会社フィッチ・レーティングスは28日、イタリアの信用格付けを「BBBマイナス」と、ジャンク級の一歩手前の水準に引き下げた。格付け見通しは「安定的」だが、市場ではイタリアが最も重要な時期にECBの支援を得られなくなるとの不安が根強い。

ECBは22日、資金供給の際に金融機関が差し入れる債券の信用格付けについて、4月7日時点のものを基準とし、それ以降に格下げされても受け入れに影響しないと発表。格付けがジャンク級に引き下げられても、ジャンク級の上位2段階にとどまる限り、金融機関は引き続き担保として差し入れることが可能とした。ECBはすでにジャンク級のギリシャ国債も担保としての受け入れを表明している。

またラガルド総裁は、新型コロナ流行を受けたユーロ圏経済の「前例のない落ち込み」に対応するため、ECBが2021年まで危機対応モードを続けるという見方を示した。景気は回復フェーズが始まる前に悪化が強まる見込みとも述べた。

ECBはすでに今回の緊急対応策の出口戦略について検討しているが、「ニューノーマル(新常態)への回帰」が向こう数カ月以内に実現することはないとし、「おそらく21年になるだろう」と述べた。

*内容を追加しました。

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