完全失業率、3月は昨年4月以来の2.6%に改善 有効求人1.1倍に上昇
ロイター / 2021年4月30日 9時36分
[東京 30日 ロイター] - 総務省が30日発表した3月の完全失業率は2.6%となり、前月(2.9%)から低下し、昨年4月と同水準となった。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため経済活動が制限される中、失業率は昨年10月に3.1%まで上昇したが、今年に入ってからは2%台後半で推移し横ばい傾向が続いた後、3月はさらに低下した。ロイターの事前調査での予測は2.9%だった。
完全失業者数(原数値)は188万人で前年同月比12万人の増加、14カ月連続の増加となった。
2020年度平均の完全失業率は2.9%となり、2009年度以来11年ぶりに上昇した。
<有効求人倍率は前月から上昇、年度では6年ぶり低水準>
同日、厚生労働省が発表した3月の有効求人倍率(季節調整値)は1.10倍で、前月から0.01ポイント上昇した。一方、2020年度平均は6年ぶりの低水準。前年度からの低下幅はオイルショックの影響が出た1974年度以来46年ぶりの大きさだった。
有効求人倍率は仕事を探している求職者1人当たり、企業から何件の求人があるかを示す。
企業側の求人状況を示す有効求人数(季節調整値)は前月に比べて1.6%増加した。求人は3カ月間有効で、今回は21年1─3月の求人が反映されたもの。緊急事態宣言の解除などに伴う社会経済活動の再開を見越した求人が3月に増えた。
有効求職者数(季節調整値)は前月に比べて0.4%増となった。収入減を補てんするためにダブルワークを希望する人や、休業長期化に伴って自己都合で退職し転職しようとする人がみられたという。
3月の新規求人数(原数値)は前年同月比0.7%減だった。産業別では、人手不足の傾向にある建設業が同16.3%増、製造業が同8.5%増となった。一方、コロナの影響が残る生活関連サービス業・娯楽業が14.8%減、卸売業・小売業が12.6%減、情報通信業が11.0%減となった。
20年度平均の有効求人倍率は1.10倍。2014年度(1.11倍)以来6年ぶりの低水準。19年度の1.55倍から0.45ポイント低下した。
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