アストラゼネカ、コロナワクチン売上高2.75億ドル 月2億回分供給へ
ロイター / 2021年5月1日 1時49分
4月30日、英製薬大手アストラゼネカが発表した第1・四半期決算は、市場予想を上回る内容となった。デラウェア州ウィルミントンのアストラゼネカで3月撮影(2021年 ロイター/Rachel Wisniewski)
[30日 ロイター] - 英製薬大手アストラゼネカが発表した第1・四半期決算は、市場予想を上回る内容となった。下半期の業績が拡大するとの見通しも示した。
第1・四半期の新型コロナウイルスワクチンの売上高は2億7500万ドル。利益は出ず、1株利益を0.03ドル押し下げる要因となった。同社は、新型コロナの流行中は利益が出ないとの見通しを示している。
同社が新型コロナワクチンの出荷・販売に関する金銭面の詳細を明らかにしたのは初めて。
ワクチンは約6800万回分を出荷。売上高の内訳は、欧州が2億2400万ドル、新興国が4300万ドル、その他地域が800万ドル。ワクチン1回分の価格は約4ドルとなる。
ソリオ最高経営責任者(CEO)は、生産プロセスの改善に伴い出荷は拡大しつつあるとし、4月以降、月間2億回分のワクチンを供給する軌道に乗っていると明らかにした。
欧州連合(EU)向け出荷が遅延している問題については、供給量を巡り「過剰な約束はしていない」と擁護した。
新型コロナワクチン事業を無利益とする確約は来年のいずれかの時点で終了する公算が大きいとした上で、低中所得国や一部の国向けには引き続き無利益、もしくは非常に安価で居急する方針を示した。
ロンドン株式市場で、同社株は4.3%高で取引を終了した。
2021年の業績予想は据え置いた。下半期の業績が拡大するとの見通しも示した。業績予想には、ワクチン販売の影響や米製薬会社アレクシオン買収の影響は含まれていない。
ソリオCEOは「新型コロナの影響は緩和し、今年下半期に業績が加速すると予想している」と述べた。
第1・四半期の総売上高は73億2000万ドル。市場予想の69億4000万ドルを上回った。1株当たりコア利益は1.63ドルで、市場予想の1.48ドルを上回った。
肺がん治療薬「タグリッソ」の売上高が17%増の11億5000万ドルと好調だった。心臓病・糖尿病薬「フォシーガ」の売上高も予想を上回る6億2500万ドルに急増した。
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