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アングル:2021年、気候変動による異常気象がもたらした被害は

ロイター / 2021年12月30日 16時20分

12月27日、米国で多くの犠牲者を出したハリケーン「アイダ」から、中国や欧州の壊滅的な洪水に至るまで、2021年には気候変動を背景とする災害が大きな損害を出した。写真は9月、ハリケーン「アイダ」の被害を受けた米ルイジアナ州グランドアイルで撮影(2021年 ロイター/Adrees Latif)

Beh Lih Yi

[クアラルンプール 27日 トムソンロイター財団] - 米国で多くの犠牲者を出したハリケーン「アイダ」から、中国や欧州の壊滅的な洪水に至るまで、2021年には気候変動を背景とする災害が大きな損害を出した。研究者らが27日に発表したところによれば、その額は全世界で数百億ドル。貧富の別を問わず、厳しい打撃を被ることになった。

世界の最貧地域の中には、洪水や暴風雨、干ばつによって数百万人の人々が命を失ったり住む場所を奪われた例がある。人道慈善団体クリスチャン・エイドは今回の報告で、地球温暖化が進むにつれ、その影響が不公平に生じていることが浮き彫りになっている、と指摘している。

報告書「Counting the cost 2021: a year of climate breakdown(2021年のコスト:気候崩壊の1年)」を執筆したクリスチャン・エイドの気候政策主任であるカット・クレイマー氏は、「今年、気候変動がもたらした損失は深刻だった。国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で多少の進展が見られたのは朗報だが、私たちが安全で豊かな世界に向けて着実な道を歩んでいるわけではないことは確かだ」と述べた。

報告書は、今年発生した気候変動由来の災害のうち、最も被害の大きかった15件を取り上げている。うち10件はいずれも15億ドル(1719億円)以上の損失をもたらした。異常気象による被害は、オーストラリアからインド、南スーダン、カナダに至るまで、あらゆる地域に及んでいる。

各国政府が温室効果ガスの排出を削減し、地球温暖化を抑制する努力を加速させない限り、気象変動による経済的損失、そして人命の喪失は急増を続けると、同報告書は予測している。

クリスチャン・エイドに対して気候正義の観点からアドバイスを提供しているバングラデシュのヌシャラット・チャウドフリー氏は、気候変動によるリスクの高い諸国からは、温暖化の進む世界における気候変動関連の「損失と被害」を補償するための新しい基金を設立すべきだという要求が高まっており、2022年には「グローバルな優先課題」とすべきだと語る。

ナイロビを本拠とするシンクタンク「パワー・シフト・アフリカ」のディレクター、モハメド・アドウ氏は、アフリカは今年、洪水から干ばつに至るまで、最大級の災害に見舞われてきたと言う。

「(2022年は)危機に直面する人々に対して現実的な経済的支援を提供する年にしなければならない」と、同氏は言葉を添える。

2021年に生じた災害のうち、最も損失の大きかったものについて、いくつかデータを挙げておこう。

*8月に米国を襲ったハリケーン「アイダ」では、650億ドルという今年最大の被害額を記録した。上陸した中では史上5番目に強大なハリケーンによって95人が亡くなり、多くの人々が住居を失い、停電が発生した。また、2月にテキサス州を襲った冬の嵐でも大規模停電が発生し、230億ドルの損害が発生した。 *2021年夏に西欧・中欧を襲った大洪水は、430億ドルという巨額の損害をもたらし、240人以上の生命を奪った。ドイツ、フランス、オランダ、ベルギーなどは異常な豪雨に見舞われたが、科学者によれば、地球温暖化によって豪雨の発生可能性・発生頻度が高まっているという。 *最も経済的被害の大きかった10件のうち4件はアジアで発生した。この地域における洪水と台風による損害は合計で240億ドルに達した。 *いくつかの災害は急激で、手の打ちようがなかった。5月にインドとバングラデシュを襲ったサイクロン「ヤース」の被害額はわずか数日間で30億ドルに達し、低地では120万人以上の住民が自宅から避難せざるをえなかった。 *中国では7月、河南省中部で発生した豪雨が巨大な洪水を発生させ、被害額は176億ドル、302人の命が失われた。省都の鄭州で3日間に降った雨は年平均降水量ほぼ同じで、地下鉄網が水浸しになった。 *異常気象による実際のコストは、この報告書の試算よりも大きい可能性がある。報告書ではほとんどの場合、保険対象となった損害をもとに被害額を計算しているからだ。保険に加入する余裕があり、資産価値が高い富裕国の方が、金銭的な被害は大きくなりがちだ。 *特に最も脆弱な地域においては、異常気象による金銭的な損害が少なくても、「人」の犠牲が大きくなる例が見られる。たとえば南スーダンで7月から11月にかけて発生した洪水では、85万人以上が住む家を失った。その多くはすでに紛争や他の災害のために避難民化した人々だった。

出典:クリスチャン・エイド「Counting the cost 2021: a year of climate breakdown(2021年のコスト:気候崩壊の1年)」

(翻訳:エァクレーレン)

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