豪、ＥＵとのＦＴＡ案拒否 今後数年は合意見込めず

１０月３０日、オーストラリア政府は、欧州連合（ＥＵ）が提案した自由貿易協定（ＦＴＡ）の条件を拒否したことを明らかにした。写真はオーストラリアのファレル貿易相。北京で５月代表撮影（２０２３年　ロイター）

［キャンベラ　３０日　ロイター］ - オーストラリア政府は３０日、欧州連合（ＥＵ）が提案した自由貿易協定（ＦＴＡ）の条件を拒否したことを明らかにした。今後数年間、合意は見込めないとみられる。

オーストラリア最大の農業団体は、ＥＵ側の条件では十分な農産物を輸出できないとして政府の対応を支持した。

ＥＵとオーストラリアは２０１８年から交渉を続けているが、オーストラリアのファレル貿易相は声明で「ＦＴＡの最終調整を望んでいたが、残念ながら進展はなかった」と表明。「交渉は継続する。いつの日か双方の利益になる協定に調印できることを期待する」と述べた。

オーストラリアのワット農相もＡＢＣラジオに「ＥＵはオーストラリアの国益にかなうと思えるほど牛肉、羊、乳製品、砂糖などの（輸入）拡大を提示しなかった」と述べた。

ＥＵ欧州委員会のドムブロフスキス上級副委員長（通商担当）は「欧州の農業部門の利益に配慮しつつ、商業的に有意義な農産物市場アクセスを提案」したが、残念ながら進展はなかったと述べた。

ワット農相は、ＥＵは選挙を控えており、今後しばらく交渉はできないとの見通しを示した。