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アングル:ハマスは人質を殴打し殺害を脅迫、元人質が家族に語る

ロイター / 2023年11月30日 14時40分

 11月29日、イスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザに拉致したイスラエル人女性や子どもの一部が解放後、拘束された数週間に受けた仕打ちを家族に語り始めている。写真はイスラエルのペタク・チクバの病院で、解放されたばかりの11歳の少年を抱擁する家族。27日撮影(2023年 ロイター/Schneider Children's Medical Center of Israel)

Howard Goller

[エルサレム 29日 ロイター] - イスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザに拉致したイスラエル人女性や子どもの一部が解放後、拘束された数週間に受けた仕打ちを家族に語り始めている。殴打や殺害の脅し、移動に次ぐ移動のほか、ささやき声を強いられた生活で、自分たちではほとんど何もすることがない状態に置かれたという。

解放後は多くが人目に付かない病院に搬送されており、拘束されていた当時の状況は家族を通じた話でしか分からない。

イスラエル心的外傷センター(METIV)のダニー・ブロム医師は、治療が必要な人も、そうでない人もいるが、大半は口に出して言うことが必要だろうと述べた。「回復するには自己コントロール感(センス・オブ・コントロール)が最も重要だ。場所と時間、暖かい環境を確保しなければならない。医療現場である必要はない」と話した。

デボラ・コーヘンさんは、連れ去られた12歳の甥エイタン・ヤハロミ君が解放された後、フランスのテレビ局BMFTVの取材に応じ「ハマスは、12歳の子ども(エイタン君)が泣くたびに武器で脅して静かにさせた。ガザ地区の全市民、誰もが甥など人質を殴っていた」と語った。

ハマスの言い分では人質を人道的に扱い、イスラムの教えに従って、生命と満足できる状態を維持したという。また、複数のパレスチナ衛生当局者によると、人質の一部はイスラエル軍の空爆で死亡したという。

家族を取り戻したトーマス・ハンドさんは米CNNテレビの取材に対し、子どもは帰って来たけれど、ささやき声でしかものを言わず、聞き取りにくかったと話した。

9歳の娘エミリーちゃんの話を聴くには「耳を口のそばに近づけないといけなかった。捕らわれていた際、音を一切立てないように命じられていた。エミリーを見ると(今も)目に恐怖の色が浮かんでいるのが分かる」と話した。

13歳のヒラ・ロテム・ショシャーニさんも戻って来た。この少女を姪に持つヤイール・ロテムさんによると、彼女はエミリーちゃんに抱きかかえられ、話す時は今もささやき声。ガザを出る際、離れ離れになる母ラアヤさんが泣き叫び、二人で抱きしめ合ったことを話すという。

イスラエルのテレビ局のチャンネル12の取材に応じたメラヴ・モル・ラビブさんの場合、いとこのケレン・マンダーさんと9歳の息子オハドちゃん、その母親のルースさんの3人が拉致された。

拉致メンバーはヘブライ語を話し、要求に従わないと死ぬと警告するかのように、喉に指を当ててさっと横に引いたこともあった。3人は地下と地上の両方で移動を繰り返させられ、食事はコメとピタパンが大半だった。それでも不足しがちで体重が減ったという。

84歳のエルマ・アブラハムさんは26日に解放された。病院スタッフらによると「生きるための闘い」の最中という。娘のタリさんは「彼らは母をひどい状態において拘束した。(解放が)数時間遅かったら死んでいた」と話した。

85歳のヨチェベド・リフシッツさんは28日夜、ヘブライ語のダヴァル紙に対し、捕らわれていた際、ハマスのガザ地区責任者ヤヒヤ・シンワール氏と直接向かい合うことがあったと話した。リフシッツさんはシンワール氏に、自分のような平和活動家に暴力を振るったことをどうして恥じないのかと尋ねたが「答えなかった。黙っていた」という。

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